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「今日は前も話した通りアビスさんに会いに行くよ」
ツクヨミがそう言った瞬間、ユズリハの背筋がピンと伸びた。
「……あの、軍資金担当の方ですよね? 大富豪の……」
「迎えのリムジンに乗って食事会場まで行くらしいよ」
サグメが軽い口調で言うが、その目はキラキラしている。
「とんでもねぇな……」ミケはため息をつき、
ヒカリは淡々と「迎えが来て参りました。行きましょう」と告げた。
外に出ると、
端が見えないほど長いリムジンが月光一行を待っていた。
サエ「……長すぎじゃね?」
ユズリハ「え、えええ……!? あの……これ全部……?」
ツクヨミ「全部です。月光への“最低限の礼”らしいよ」
リムジンに乗り込むと、中はホテルのロビーのような豪華さ。
ソファはふわふわ、天井は金の装飾、ミニバーの中には宝石みたいな瓶が並んでいる。
サエ「リムジンなんて初めて乗った……」
ユズリハ「なんか……胃が痛くなってきたかも……」
しばらくして車が停まる。
降りた先には、まるで映画に出てくるような豪華な宮殿——
そこがアビスの居城だった。
ツクヨミ「月光です。食事会で来ました」
門番「月光様。ようこそお越しくださいました。どうぞこちらへ」
案内される廊下は、壁一枚が美術館レベル。
巨大な絵画、飾られた鎧、宝石のシャンデリア。
ミケ「……あのな、これ……城じゃなくて博物館じゃねぇの?」
ヒカリ「全てアビス様の所有物でしょうね」
ミケ「だよな…」
会場に通されると、
中央に一人の少女が優雅に座っていた。
アビス「おひさしぶりですわね、月光の皆様。どうぞお好きな席に座って」
ふわりと微笑む彼女は、
「大富豪」という肩書きをそのまま体現したような気品だった。
ユズリハは緊張で肩が上がりきっている。
サグメ「ユズリハくん、固まりすぎ。アビスさん悪い人じゃないよ?」
ユズリハ「こ、こんな場所 生まれて初めてで……!」
ツクヨミ「っと、料理が来たようだね」
テーブルいっぱいに次々と並べられる高級料理。
どれも信じられないほど美味しい。
ユズリハ「……し、幸せ……」
サエ「この肉、噛んだ瞬間消えるんだけど!? どういう原理!?」
ミケ「うまっ……うまっ……うまっ……」
モミジ「ミケ、はしたない」
突然、外から爆音が響いた。
門番「敵襲です! “アビス様を引き渡せ”との要求が……!」
アビスはため息をつき、
ゆっくり立ち上がると、指先で髪を整えた。
「行きますわよ。」
外に出ると敵と思われる人物が30人はいた。
敵「アビス・エンドを渡せ!!」
アビス
「まぁ、面白いですわね。
でも、まずは——“私に勝って”から言いなさい!!」
彼女の足元に魔方陣が走り、
黒いカードが空中に浮かぶ。
サグメ「これが……アビスさんのリンク……!」
ツクヨミ「“等価交換”。彼女の資産がそのまま攻撃力になる」
アビスは黒カードを指で弾いた。
アビス
「500万ですわ!!」
空気が震え、
黒い光がカードを包み、瞬時に巨大なショットガンへ変化する。
ユズリハ「えっ、えっ、ちょ……!?」
サエ「カードから武器!? 反則だろ……!」
アビスは優雅に構えると、スカートを翻し——
ドンッッッ!!
一発。
それだけで敵の前衛ごと壁が吹き飛んだ。
敵兵「ひっ……!? なんだこの威力!!?」
アビス
「こちら、たった“数百万”相当のショットガンですけど?
あなた達……本当に私を持って帰れると思って来たのかしら?」
敵は数十名。
アビスは確かに強いが、数で押されれば危ない。
ツクヨミ「支援しようか」
サエ「了解!」
モミジ「はーい」
アビスはそれを見て、満足そうに微笑む。
アビス
「では皆様——
私のお屋敷、好きに暴れて構いませんわ」
敵を殲滅し終えた後。
ユズリハ「なんて戦い方だ……」
アビスはショットガンをスカートの陰にクルッと隠し、
優雅にウインクした。
アビス
「ごめんあそばせ♡」