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〈smile side〉
長 「っ、、たとえ二人分の力を持っていても、使い切ったら意味がないだろ!!」
sm 「だからお前がいる。」
長 「は、、」
sm 「俺の半分とお前の半分、これで扉をつなげる。これなら効率いいだろ」
長 「僕が断ったら、、?」
sm 「お前は優しいから断れないさ」
嬉しそうな、それでも少し納得のいかないような複雑な表情を浮かべるが、そんなところに優しさが含まれていることに彼自身は気づかないのであろう。
長 「、、、でもスマイルは帰っちゃうんでしょ?」
あぁ、なんだ。
俺がいなくなるとまた一人になるからってことを懸念していたのか。
こう言ったところは本当に幼くて、たまに切なくなる。
sm 「俺は帰らないよ。ずっとここにいる」
…………………………………………………*
〈shake side〉
大好きだよ。と呟く彼はその言葉を俺に向けては安心したかのように柔らかな表情を浮かべる
何故だか俺の想いもこの時にようやく報われたかのように感じた。
、、、やっと届いたんだ。
チュッ
確かめ合うように重ねる唇は熱くなるばかりで少し苦しい。
キスをする前に見えた彼の瞳。柔らかな表情の一瞬、獣が見えた気がした。
、、、あ。これ喰われる
sh 「なかむっ、、、ちょっ、」
それは割れ物を扱うような震えた口付けではなくて、強引で、まるで吸血鬼が渇きを潤すように激しい。
気づけば俺が机にもたれかかって、彼のさらさらとした髪の毛がくすぐったかった。
sh 「んぅ、、はぁ。ぁ、ん”っ!」
こいつっ、!!見た目は華奢なくせして力が強くて抵抗できない。
机に背中を抑え込められた俺はただ足をひょいと持ち上げられ、彼と密着する。
sh 「ぇちょちょちょっ!ここ学校だからっ」
nk 「いいじゃん。俺たちしかいないよ」
sh 「そういうことじゃ、、、んぅっ」
sh 「、、ばかっ!擦り付けんな、ぁうっ」
ーーーおぉ、お盛んですなぁ
ーーーちょっ、ぶるーく声でかいって!
、、、、、。
、、、、、、、、っ!!!!
sh 「離れろこの、、、、オオカミっ!!」
ドカッ
nk 「いってぇっ!!」
br 「い、いやぁ申し訳ないと思ってるよ?」
br 「でも、、きりやんからの伝言をと思ってきただけでさ、、」
nk 「ふーん」
どうしよう、と言わんばかりのうるうるとした目でぶるーくが俺に助けを求めてくるけれど、助けるわけがないだろう。
kn 「きりやんがもう先帰っていいって」
sh 「え、、でもまだスマイルが」
kn 「俺もそう言ったんだけど、二人で話したいって言ってて」
nk 「その言われ方ってことはまだなんかあるっぽいな」
br 「僕らも疲れてるだろうって気遣ってくれたんだよ」
kn 「、、、、、どんな結果であれ俺は受け止めようと思う」
それって、、、
これ以上先のことはあまり考えないようにしていた。考えたところで変わらない。
かと言ってその選択をした時の理由を聞いたって理解できるとは到底思っていないからだ。
でも俺たちも大人にならなくてはならない。
きっときんときはそれに気づいてる。
sh 「じゃあ、その言葉に甘えて帰ろうか」
…………………………………………………*
〈kiriyan side 〉
執着心。
怪異の到底はこの汚れた感情により存在すると思う。場所に執着する、感情に執着する、思い出に執着する。
けれど人に執着した俺は、怪異にはなれないのだ。この神聖な力とやらは人間を守るためじゃない。自分たちを縛るための呪いだ。
見たくないものが見える、知りたくもない真実が見える、終わらせたくない物語に終止符を打つのはいつも俺たちの役割。
いつもと変わらないはずの男子便所には静かに扉が開かれる。
kr 「待ってたよ、スマイル」
sm 「、、きりやん。ずっと待ってたのか」
kr 「当たり前だよ。スマイルの居場所はここにあるからね」
全てを分かった上で鎌をかけた。
優しく微笑みかかるけれどその裏側なんて見せられない。ただ、俺の言葉に肯定してほしい。
その手を伸ばして、ただいま。と一言だけを聞いて抱きしめることを望んだ。
sm 「俺の居場所はここじゃない。」
kr 「、、、どうして?」
sm 「俺は魂だ。今の俺は肉体を所持してない。みんなとは違う」
kr 「そんなこと言うなよ」
改めて面と向かって否定されるとくるものがある。なにより真っ直ぐとしたその瞳に嘘はないことは俺がいちばん知ってる。
だから俺は、彼の場所には手が届かない。
sm 「ごめん、約束守れなかった。」
kr 「怪異になるの?」
sm 「俺にはまだやらなきゃいけないことがある。それはきりやんもわかってるだろ?」
そんなのわかってる。
スマイルが彼岸と此岸を行き来できる特別な存在だったことも、それなりの力を持っていたことも。
でも覚醒してしまえば俺の元には戻ってこないと思った。だってひとりでなんでもできるようになってしまうから。
それが現実になったんだね
kr 「この世界に居場所はなくても、俺の隣がスマイルの居場所じゃないのかよ」
sm 「どういうこと?、、、俺の居場所はここにはないって」
kr 「あぁーーっもぅ!」
kr 「好きだってことだよ。スマイル」