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「緊張する。ドキドキしてるもん」
二人車の中、彼女は胸に手を当てながらそう言った。
しばらくの沈黙の後、彼女は口を開いた。
「本当は付き合ってるときにこう言うデートしてみたかったんだよね」
そう言うと彼女は彼の顔を見て続けた。
「でもこう言うの嫌いなのかなって思って……。
遊園地とか動物園とか水族館とか一緒に行ってみたかったなぁ~」と照れ笑いをする。
「そっか…」と素っ気なく、彼。
またしばらくの沈黙の後にキラキラと光る海の景色が見えてきた。海が見えてくると彼女はある話をしだした…。
「実はさ新卒で入った保育園1ヶ月で辞めちゃったんだよね。まぁ、アルバイト含めると2ヶ月だけど……」
「…うん、」
「凄く辛くて、毎日泣いてて、家の窓から飛び下りようって何回も考えてた。そしたら怪我して仕事いかなくて済むかなって(汗)
あと下り坂の急カーブのところでブレーキギリギリまで踏まなかったりとか、反対車線に飛び出したら死ねるかな、とか……」
彼女の声と音楽だけが鳴り響く…。彼女はチラッと彼の横顔を見て続けた。
「それで、もう限界!ってなってお母さんに泣きついたんだよね笑
もう行けない!ってそれで今話したことも全部お母さんに話して、そしたら死にたくなるくらいなら辞めたほうがいい!って言って辞めさせてくれて笑…」
こんな話をすると彼は車を停めこちらを向き
「……菜々…」
「ん?」
「辛かったな、ごめんな」
彼は何とも言えないようなそんな顔で言った。