寒色の記憶

俺の知ってる全部

俺の知ってるあいつ

俺の大切な相棒

表向きはそうで

裏では恋人

言えるわけねぇだろ。

恋人だった。とか意味わからなさすぎる

てかなんで恋人だったことは知らねぇんだ

あいつらなら言いそうなのに

あぁ考えても埒があかねぇ

適当に答えよう

よく分からないけど胸が苦しい

今すぐここから離れたい

「2人で“でびらび”ってペア組んだりしてた」

「心スポ行ったり色々してたよバカみてぇなことばっかしてた」

「あと、そういうこと知りたいって言ってた」

星導「そういうことって？」

「だから、その、宇宙がどうこう……とかそういうやつだよ」

星導「あーなるほど…」

星導「それ以外は？」

「それ以外って、、そんなねぇよ。」

「俺別にそんなにお前のこと知らなかったし」

星導「仲良かったのに？」

「ま、まぁ…」

星導「小柳くん。知ってます？貴方がいつも俺の事どんな顔してみてるか」

「は？急になんだよ。別にライ達見る時と同じだろ」

星導「ねぇ。俺は“星導ショウ”であって、もう“星導晶”じゃないですよ。」

星導「どれだけ目の奥見つめたって」

星導「もう俺は“星導ショウ”なんですよ」

星導「黄色みがかった髪色でも、エメラルド色の目でも無いですよ」

「は、、、、、？」

「ぉ、まえ記憶ねぇんだろ、？ 」

星導「えぇ。無いです。」

「じゃあなんで今…………」

星導「ふふ。小柳くん。」

星導「俺、宇宙の全てを知ったって言ったじゃないですか。」

星導「貴方が見てきた姿くらいちょちょいのちょいで俺も見れちゃいますよ」

星導「しかも、小柳くんすっごい見つめてくるから」

そう言って星導はにっこりと笑う

じゃあそこまで見といてなんで俺に聞いてくるんだよ

じゃあ付き合ってたことも全部知ってんじゃねぇのかよ

そう思っても中々口に出せない

あいつはどこまで俺の記憶を見たのか分からない

もしかしたら“星導晶”の姿を見ただけかもしれない

こいつは決定的なことを言わない

だから全部俺が言うしかない

俺の口から

こいつは全部計算して………

星導「ねぇ、小柳くん。小柳くんは“星導晶”のことどういう顔で見てたんですか？」

星導「俺、知りたいです。」

星導「“星導晶”のことも、そいつの事が好きだった小柳くん、」

星導「いや、今もあいつが好きな小柳くんのことも」

星導「俺、記憶喪失だし知りたいんですよ。」

星導「“星導晶”も好奇心旺盛だったんですよね。きっと。だからこういうことも言いそうじゃないですか？」

星導「だから、教えてください小柳くん」

星導?「“ほしるべしょう”からのお願いです♡」

あぁ、頭に上手く酸素が回らない

頭の中がぐちゃぐちゃだ

情報量が多すぎる

記憶喪失だと告げられた時よりももっと

こいつは全部知ってるのか知らないのかよく分からない

確かにそうだ

俺はずっとあいつのことが好きだ

目の前のやつとは違うあいつが

でも目の前のやつと声も言動も全部一緒

こいつは今何を求めてるんだ

あいつよりも分からない

考えてることも全部が

よく

わからな……………………………ぃ

ﾄﾞｻｯ

星導?「わ、」

星導?「少し情報量が多すぎたかな？」

ﾊﾟｷｯ

星導?「ふふ、なんとか戻ってこれたかな？不完全だけど……」

ﾊﾟｷﾊﾟｷｯ

??「次は絶対タコじゃなくてこの姿ででてくるから」

ﾊﾟｷﾊﾟｷ…ﾊﾟｷｯ

??「だからもう少し待っててね」

晶「ぴょん。」