脱走すると決めた日。これまで様々なことを調べた。これで…本当に正しいの?
今日まで考えていた。でも。結局はもう考えてもこの地獄から抜け出せるなら、なんでもいい。
警備員を別の場所に引き付け、抜け口から抜けて出る。
途中の非常階段を登る。錆びた階段に音が響く。すると、サイレンが鳴る。
〔緊急事態、102号室からNo.877、No.566、No.74、No.49、No.210が脱走…至急捜索を…〕
足を早める。が、それも無駄だった。前方から懐中電灯が向けられる。後ろ、左右も見たが、もうすでに包囲されていた。
すぐさま取り押さえられる。足音が響き、向こうから所長が向かってくる。
〔No.877…非常に残念だな。〕
そう言い、4人は連行されていく。所長室に連れて行かれる。
所長は重そうに椅子に座り、こちらに向かって話しかけてくる。
〔君なら…大丈夫だと思ったのだが…愛国心も、服従する心も弱かったのか。〕
〔やっぱり他の4体は近づけてはいけなかった…のか。まあ、〕
その言葉が、彼にとって、他の人にとっても風船のように軽くても。
自分の心にはずっしりとしていた。
心臓が締め付けられる。
思わず、怒鳴ってしまう。
『あの4人は全く悪くないですっ!』
カッとしてしまい、ハッとする。
『ぁ…』
〔お前…口答えしたな…?〕
〔はあ。ここまで洗脳された…のか。〕
そこで、記憶が途絶えるーーーーーー
No.877…そう、おんりーは、昔は従順で、とても優秀だった。
でも…あの4体が入ってから、少しずつ変化が起きている。
全てはあいつらのせい。
そう思い、No.877の電源を衝動的に切った。
電源をつけようとして、ふと思う。
じゃあ記憶を消して…あいつらを破壊すれば…?
そう思い、データにアクセスする。
カーソルを、削除に持っていく。
この時は知らない。このワンクリックが、すべてを変える事を。
おお…疲れた()
コメント
5件
心臓バックバクになったんだけどw
待って続きが楽しみ過ぎて〇にそうなんですけど!?