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ユミトたちは冒険者ギルドの近くの食事処に行きました。「しっかしよくあそこで挽回したな!」バルドはユミトの肩をたたきました。「どうやって挽回したのか気になるな」アウレリオが言いました。ユミトは言っていいのか少し戸惑いましたが勇気を出して言うことにしました。「実は、お兄ちゃんが前に教えてくれた分割思考っていう技を使ったの、私もやったことなかったけど一発で成功するなんて思わなかった」「分割思考って上位クラスのスキルだよ!?しかも習得に数年かかるやつ!」ジネヴラが驚いて言いました。「分割思考はエネルギーを消費するだけじゃなく、へまをしたら体力の消耗のせいで鼻血などを引き起こす恐れがあるやつですね」レミがそう言ったあとユミトを見ました。「なのにユミトは何ともない、これは結構珍しい事例ですよ」レミは深く考え込みました。「ユミトはすごいな、にしてもユミトの言うお兄さんは、いったい何者なんだ?上位クラスの分割思考も持ってるなんて」アウレリオは言いました。「ただの私と同じ、種族は人間だよ」ユミトは言いました。「今までの話のせいで、その人間を疑うほどの強さなんですが?」ゲラルドはあきれたように言いました。「はは…」バルドは言葉を失っていました。そんな話をしているとアウレリオはふと思いつきました。「この際だからユミトのお兄さんの話をしてくれないか?」「いいですね、ユミトのお兄さんのことは前々から気になっていましたので」ゲラルドはアウレリオの意見に賛成しました。「ユミトちゃんのお兄さんってどんな人なの?」ジネヴラはユミトに聞きました。「お兄ちゃんとは血がつながってないけど、私が赤ちゃんの頃からのそばにいてくれて、それに、私の名前も考えてくれたの」「え?てことはユミトって名前はお兄さんが名付けたの?」「うん、お兄ちゃんいわく私の名前はとある絵本からとってきたんだって、なんて本だったか覚えていないけど」ユミトは言いました。「恐らく、『星の勇者』ではないですか?」ゲラルドが言いました。「物語の内容は、女騎士ユミトが神々を困らせていた罪のない人々を殺す亜神を倒す話です、最後は亜神を倒し勇者となり、更には神々もそれを祝福するため光を降らした、こう書かれています」「なにそれ、めっちゃいい話!」ジネヴラが言いました。「絶対それですよ!実際のユミトも勇者みたいですし」レミはいいました。「ユミトってたしか希望って意味もあったよな、名前にするならもってこいだな」アウレリオはいいました。あまりに皆が褒めるのでユミトは恥ずかしくなってきました。「つ、次話すよ!」ユミトは言いました。それにみんなも反応して話を止めました。それに一安心したユミトは、話しだしました。「お兄ちゃんは剣術にも長けていていっつも皆に勝っていたよ、私も敵わなかった」ユミトの言葉に皆驚きました。「てことはユミトに剣術を教えてた先生よりも強いのか?」バルドはユミトに聞きました。「そこは分からないけど、少なくとも先生と肩を並べれるんじゃないかな」ユミトは考えながら言いました。それに皆は驚くしかありません。なにせユミトはさっきの実戦練習で十分強かったのですから。「それから、お兄ちゃんは勝負事や喧嘩にとっても強かった」ユミトは言いました。「それってどういうこと?」レミは聞きました。「勝負事でいったらまずさっき言った手合わせでしょ、あとは賭け事やゲームとか勝てなかったなー」ユミトが苦笑いしながら言いました。「孤児院に、お兄ちゃんに勝てる人はいなかったなー」「どんだけ強いんだよ」バルドはある意味強いユミトのお兄さんに引いていました。「それだけじゃないよ、お兄ちゃんは喧嘩にも強かったから孤児院のガキ大将だったの」ユミトは言いました。レミは気なってユミトに質問しました。「喧嘩には沢山の種類があるけど、どれが一番強かったとかあるの?」「全部強かった、口喧嘩も全部」ユミトは何のためらいもなく言いました。「いやだからどんだけ強いんだよ」バルドはもう呆れていました。「お兄ちゃんは頭がよかったし観察力もあったから正論で相手を再起不能にしていたよ」ユミトは仕方ないという顔をしました。「ユミトのお兄さんはすごいな、頭もいいなんて」アウレリオは羨ましがっていました。「ちなみにさ、お兄さんの名前は?」ジネヴラはワクワクして聞きました。「柊(しゅう)って名前だよ、でも今は違うって言ってた」ユミトは言いました。「そうなんだ、じゃあ今の名前は?」レミは聞きました。「それが内緒って言われた」ユミトは頬を膨らましました。「そっか、じゃあ会ったときのお楽しみだね」レミは言いました。しばらくアウレリオたちはユミトのお兄さんのことで話をしていました。「やっぱりユミトの周りはすごい人しかいないな」バルドは言いました。「たまたまだよ、出会いに恵まれていたんだよ」ユミトは謙遜しました。「でもその出逢いに感謝だな」アウレリオはユミトに言いました。「そうだね」ユミトは笑いました。「よし、そろそろ出るか、冒険者ギルドに頼まれている依頼があるからな」アウレリオはいいました。