⚠ご本人様とは一切の関係ございません
基本🟪視点のみ(🟨🟪)
学パロ
®️なし
1話大体2500~予定
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
🟪視点
🟪「─は、 っ゙くしゅ」
抑えようとした手が間に合わず、盛大にくしゃみをかます
2月の頭、春と呼ぶには流石に早いこの時期
にも関わらず暦上では春と呼ばれるのだから何とも不思議だ
そもそも1年で一番気温が落ち込む時期を春と呼ぶのも如何なものか、と心の内で文句をたれる
🟨「なんだよそのくしゃみ、おじさんじゃん」
🟪「うるせぇな…間に合わなかったんだよ」
隣を歩く彼、きりやんにからかうように言われ、ついふくれたような声が出る
快活と言うにふさわしいその笑顔を何の気なしに見つめながら、マフラーを口元まで引き上げた
🟨「でさ…って何スマイル、俺の顔なんかついてる?」
🟪「は?…っいや、何でもない」
🟨「そうか?じゃあいいけど」
「それでさぁ─」
彼に言われてはたと気づく
思っていたよりも長い間見つめていたらしい、慌てて前を向き平静を装う
彼にはやや怪訝な顔をされたが、特になにか踏み込まれる訳でも無く会話に戻った
・・・
🟨「いやー、俺らの高校生活も次で最後かぁ」
🟪「案外早かったな」
🟨「だよなー、次のクラスも当たりだといいんだけど」
高校2年生も残り数週間で終わる
4月からは3年生。高校生活最後の年でもあり、新たな進路へと準備する年でもある
つまりこの帰り道も残り少ない訳で
他愛もない話を続けながら歩く駅までの時間
それが毎日の密かな楽しみになっていたのはいつからだろう
彼とは2年の時に同じクラスになり、向こうから話しかけてきたのがきっかけで仲良くなった
少し天パ気味の明るい髪と、同じくらいの光を湛えた瞳。 何より自分とは対のような印象をもったのが始まりだ
その後、1年の頃同じクラスだったり友達の友達だったとかで、気づけばよく6人で行動するようになったのを覚えている
とりわけ同じクラスだったからか、きりやんといる時間がいちばん長かった
加えて互いにどこかに所属している訳では無いため、共に帰っていたのが習慣化して今に至る
🟨「─来年もお前と同じクラスだったらいいのにな 」
ふと告げられた一言に心臓が小さく、しかし確実に跳ね上がる
🟨「ほら、仲いいヤツ多い方が楽しいしさ、
てか6人とも同じクラスとかだったらめっちゃ面白くね?」
🟪「…まあ、そうだな」
一転、浮きそうだった気持ちは途端に冷めていく
些細な言葉に一喜一憂するようになったのはいつからだろう
所詮俺も”友人”という枠組みの中の一人なのに
俺だけじゃないのか、なんて考えが一瞬よぎったのは気のせいなんかじゃない
🟪「もしそうだとしたら担任がちょっと可哀想だけどな」
🟨「あー確かに、よく騒ぐからなアイツら」
🟪「…お前も入ってるからな?その面子に」
🟨「はぁ?んなことねぇし!」
少しムキになる彼がおもしろくて頬が緩む
🟨「なーに俺の顔みて笑ってんだよ!」
🟪「っぶ、おいやめろ髪が崩れるだろ!」
頭をわしゃわしゃとかき乱される。きっと色んなところが跳ねているに違いない
その場しのぎで髪を整えるも、何せ鏡がないものだからどうなっているのかも分からない
🟪「俺の髪どうなってる?どっか変か?」
🟨「いんじゃね?別に」
「あ待って、ここ出来てねぇわ」
そう言って後頭部辺りの髪を梳かれた
それだけなのに何故か触れられたところ一つ一つに神経が通ったような感覚にさらされる
その感覚に当てはまる言葉を探している内に手は俺の頭から離れていった
🟨「ほら、これでだいぶマシになった」
🟪「元はと言えばお前がぐしゃぐしゃにしたんだからな」
「誰かに見られたらどうするんだよ…」
🟨「そんぐらい別に誰も気にしてねぇよ」
「てかお前顔良いんだから何しても様になるって」
🟪「……ふん、」
ふい、とよそへ顔を向ける
冗談だろうがこう、何と言うか心臓に悪い?ような気分になる。心なしかマフラーをまいた首が少し熱い
その後何か言われる訳でも無く、それからは普段と変わりない帰路をたどった
・・・
🟨「じゃあな、また明日ー」
🟪「ん、またな」
改札口へ向かう彼に軽く手を上げ応えた後、駅に止めて居た自転車を取りに向かう
彼はここから2駅先の方面から通っているのもあり、必然的にここで解散になる
俺はほぼ駅から10分と経たないところに家があるため、この駅の駐輪場に停めてから学校へ向かっている
何せ学校までの道は坂が多くてとても登る気にはなれないのだ
自転車を漕ぎながら考える
俺はきりやんのことを”友人”として見ているのだろうか
友人として見ているにしてはあまりに感情を振り回されている気もする
しかし恋愛的な物なのか、と己に問えばそうでは無いのではという答えに辿り着く
結局堂々巡りのまま家に着き、部屋へ直行する
カバンを定位置に放り、防寒具を脱いでいく
ふと目に止まったのは卓上カレンダー
そのカレンダーは珍しく暦が書かれている代物で、それによると今日は立春に当たるらしい
二十四節気という存在もこのカレンダーで知った
そんな事を考えていても、頭に残るのは先程の疑問
未だ答えが出る兆しは見えない
もやが溜まっていく中あるひとつの考えが浮かぶ
いっその事1年間考えてみるのはどうだろうか
次の立春の日、来年の今日までに考えをまとめる
それまではいつも通り過ごせばいいのだ
もしそれまでに答えが出たとしても、それが一時の気の迷いの可能性だってある
まあ、忘れた時はその時だ。別に絶対という訳じゃない
我ながら良案じゃないか、と1人頷く
ひとまず着替えて、ゲームでもしようと洗面所へ向かうことにした
続く
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