テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
創作BL
君の色だけ、知っている。
episode.1
錯色
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
鬱陶しいほどに眩しく照らす太陽に、繁華街の人々の熱気。滅多に外出なんてしないのになぜこんな歩くだけで息も詰まるような日に出歩くことにしたのだろう。
…あー、暑い。とにかく暑い。人が多いせいか、他人との歩く距離感が近い。不快、とても気持ち悪い…
こんな場所にいたくないな…何処か人の少ない涼しい室内に、この熱が籠った体を氷河期のように冷たくしてくれる飲み物があるところにいきたい…
-俺はそんな天国のような場所にたどり着くためこの地獄のような道を辿った
「…おかしいな、繁華街の道路に沿って歩いてきたはずなのに人が全くいない…」
あまりにおかしい光景にぽつりと呟く。
辺りを見渡すと繁華街の近くの道にしては似合わない、ツタがしがみついている少し古びたひとつの喫茶店に目がいった。
天使の導きなのか?喫茶店なんて全く興味がないのにこの古びた店に入ろうと思った。
「いらっしゃいませ!ひとりですか?」
-若い男が微笑みながら俺に問う
「…はい。」
-俺は驚いて少し反応が遅れた。
こんな古びた喫茶店のイメージなんて白い髭を生やして小さな丸メガネをかけているおじいさんのオーナーしか浮かばなかったのに、くせ毛の金髪のスタイルの良い若い男がオーナーとは…
「あの…店内誰もいなくて寂しいのでカウンターきてくれませんか?」
-若いオーナーは少し照れたような表情で俺に言った
「わかりました…」
-俺は言われた通りカウンターの席に座った。
「ご注文はなににしますか?」
-男は微笑みながら俺にメニュー表をわたした。
俺はやっぱり店に来たらこれだ。メロンソーダフロート。甘いものなんて似合わないと言われるが俺は自分の飲みたいものを選ぶ。
「メロンソーダフロートで」
-男は驚いたのか微笑んでいた目の瞳孔が少し開く
「…かしこまりました!」
-男はメロンソーダフロートを作りながら俺の方をチラチラと見る。
なんなんだ…?なんで俺を見る?
ゴミでもついているのか?
「あ、あの!」
やっと話しかけてきた。
「綺麗なネックレスですね…サファイアですか?」
….??サファイア?これが?
どっからどう見たって青には見えないだろ?
俺がつけてるネックレスの宝石は綺麗な緑色のエメラルドだ…青なはずがない。
-答える前に一応自分のネックレスを見てから言う
「いや…エメラルドっす….
青色に見えますか?」
-オーナーは焦っているのか微笑みが消え申し訳ないような表情を浮かべる
…感情が分かりすぎる…犬みてぇ。
「え、えと…ごめんなさい…僕よく間違えちゃって…」
-彼は本当に反省し顔を伏せがちにしている。
赤面症なのか顔も赤くなっている。
そんなに謝らなくてもいいのに。
「大丈夫ですよ。気にしないでください。」
彼は顔が赤いまま、その場を離れるようにメロンソーダフロートを作りに行った。
39
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!