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シーザーが逃げた。彼は黒木夫人が亜漕を介し、伊師井夫人からもらったフクロモモンガである。また彼は幻覚寺にいるエリザベスの双子の片方であった。
黒木夫人は慌てた。飼育しているのはアンドレで彼は満腹寺だ。夫人だけでは、彼がいたとしても掴む事すら出来ない。
「あ、あたくし…亜漕さん、大変、シーちゃんが居ないのよ!」「エエッ、良く探しました?」「探したけど、アンドレが居ないし、呼んでも出てこないわ…」黒木夫人から連絡を受けると、亜漕は田貫坂女史を向かわせた。彼女はトリマーをやっていたからである。
「こんにちは〜」「あ、お待ちしてたわ。」「シーちゃんが脱走したって聞いて、外に出ちゃうと見つから無いかも…」「うち中呼んでも居ないのよ!」「じゃ、チョット、餌で釣りましょうか。」
田貫坂はエリザベスが好きな甘いものの餌を持ってきた。小さなトレーにおいてしばらく様子を見ることにした。
しかし、待つこと一時間、一向に現れない。
「ご近所で拾ってくれる人がいるかも知れないんで、ポスターとか貼っとくと良いかも。」「あなた作って下さらない?」田貫坂女史は呆れたが、「解りました。金隠氏に頼んで見ます。」と言って帰った。彼女はその昔、彼のハリネズミが逃げて亜漕が捕まえた話しを思い出した。