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 先日、アウスト国との戦争があった。そしてその日、輝(ヒカリ)のお気に入りのひとりである暗殺部隊所属の麗音(レオン)が幹部に所属する事になった。

 幹部となって数日、レオンは初めて幹部の仕事のひとつである書類を任される事になった。


「今日は初めてだから少なめね。今後、他の幹部と同じ量をしてもらう事になるから」


 少なめとは言っても、思っている二倍くらいは量が多い。

 今後、皆と同じ量をするという事は、幹部が普段やっている書類の量は、きっと思っているより四倍くらいは多いのだろう。

 レオンはそっと、幹部に入るの間違えたかなと少し後悔して、何だか遠い目をしていた。

 ヒカリは、他の幹部達も同じような反応をしていたなと思い返した。でも、他の幹部より一番嫌な顔をしているのがレオンであった。


「期限は沢山あるから、そんなに嫌そうな顔しなくても大丈夫だよ」

「…うーん」


 期限が短いから嫌な顔をしてるわけではない。量が多い事が問題なのだ。ヒカリはそれに気づいているのか、いないのか。

 やる前は嫌な顔をしていたものの、やってみると案外簡単で、ほぼ考える事なくスラスラ書けた。

 質より量ってやつですか。何がなんでも多すぎる気がするが…幹部は今のより多いんだから、弱音は吐いてられないだろう。

 隊長やりながら書類をやるってめちゃくちゃ凄いな…なんて思っているレオンだった。



「総統、お客来てますよ」

「あれ、もうそんな時間?」


 レオンが総統室から去っておよそ三十分くらい経った頃。ゼルト国という国が光石国にやって来た。

 ヒカリを呼びに来たのは書記長 柊(ヒイラギ)。会談の時は必ず、後ろに書記長やらが立っていると決めたのだ。


「遅れてしまいすいません」

 ゼルト国の人間が待っていたのは応接室。総統室からはどこよりも遠い場所に位置している。

 そもそもとして待たせているのに、移動で更に待たせるのも嫌なので、早く歩いたはいいものの、遠いせいで結局時間がかかる。

 まぁ、だからといって総統室と応接室を隣とか近くにするのは絶対にやらないけど。


「いや、大丈夫ですよ。わたくし共が早く来すぎてしまっただけです」


 ゼルト国の人間は優しい人達ばかりで、性格が悪そのものの人間は今のところ見ていない。

 そんな人間性が、総統が話してみようと思ったきっかけである。

 裏の顔がどんなものなのかは決して知らないが、人前で善を見せるのは考えを持っている人間だ、とヒカリは考える。

 別に後でどうこうされたって構わない。後悔するのはきっと、相手だから。

 というわけで、軽く挨拶を済ませて長机に置いてある椅子に座る。その椅子は高級で、ギイギイなりやしない。

 ヒカリと、相手国総統が対面で座り、お互いが連れてきた書記長達は斜め後ろで立って待つ。

 書記長達は決して自ら会話に入ろうとはせず、我が主である総統を守る為に、所謂護衛としている。


「―――という感じなんだけど、どうかな?」

 ヒカリは相手に問う。

 始まりの提案は、「貿易をしないか」、というものだった。

 光石国とゼルト国は決して遠いところに位置しているわけではないが、採れるものは全然と言っていいほど違う。

 その為、貿易をした方がわざわざ探さなくとも欲しいものが手に入るので、お得というわけだ。

 その提案はお互い納得したようで、うんうんと頷いている。


「何を貿易しましょう?」

「そうだな…」

 貿易をするという事に納得したので、次にその物を考える事にした。

 うーん、と悩んでいると書記長と話し合ったりしていた。


「君達は、「光る石(シャイルーン)」について知ってるかい?」


 「光る石」というのは、光石国でしか採れない石、というか宝石だ。

 光る石は光石国でしか採れない宝石なのだが、光石国でも採るのが困難な貴重な宝石だ。

 その名の通り光る石はキラキラと眩しいくらいに輝く石であり、大分目立つ。

 だが、貴重なので見つける者はそうそういないのである。

 見つけた数は少ないし、使い所もまだ少ししかないので、置いていても仕方ない状態ではある。

 なので、貿易品として提示してみる事にした。


「ほう、なるほど、シャイルーンですか」


 一方、ゼルト国の貿易品は皮と蜜柑である。ふたつとも取れる量も使い所も多い為、案外直ぐに決まったらしい。

 皮は鞄にもベルトにもなるし、蜜柑はそのまま食べても調理しても美味しいので便利だ。

 そんなふたつとは真逆の性質を持つ、光る石。相手は物珍しそうに見てくるが、貿易品として出すのはやめておこう。

 光る石の持ち主である光石国ですら用途があまり見つかっていないのに、別国に渡すのは気が引けた。

 光る石は、現在剣として使われている。本来鉄やらになる部分が、光る石になっているのである。

 その剣の値段は計り知れない。作れる数が少なすぎる為、とても貴重品になっているからである。

 その剣の持ち主はヒカリ、ただひとりである。


「光る石ではなく、石炭と鉄にしておこう」

「…わかりました」


 ゼルト国は山に面してはいない為、鉱石が多く取れるわけではないが、光る石ではないと知ると、少しガッカリした様子だった。

 まぁ、無理はないだろうが。それでも、石炭も鉄も用途は沢山あるので、良しとして欲しいところだ。

 交易ではない為、その場で直ぐには決められない。貿易するという事実だけ抱え、彼らは帰っていった。


「上手くいくといいですね、総統」

「そうだねぇ」


 光石国で、初めての貿易相手ができたのだった。




「ヒカリ、なんで光る石にしなかったんだ?」


 応接室から総統室に戻る最中の話。それまでは聞けなかった話を今、聞く事にしたヒイラギ。

 ヒイラギも、光石国の人間なのだから光る石がどれほど貴重なものなのかは知っている。

 だが、先程も述べたとおり、光る石は貴重すぎて加工品も少ない。なので、折角ならと光る石を提供するものかと思っていたのだ。


「だって、光る石は貴重なんだよ?」

「だから聞いてるんだが?」

 ヒカリも話し合いをしている中では、上記の事を思っていた。だから、ゼルト国の人間にどうだ、と言ってみたのだ。

 だが、よく考えてみた。


「光る石は、その名の通りこの国に由来する宝石でしょ?そんなものを、他国に提供したくなくなったんだよねぇ」

 「光る石」の「る」を抜いて国をつければあっという間に「光石国」の名ができあがり。

 光る石が発見された当時、ヒカリが総統になって間もない頃。他国にはそんな宝石なんて、どこにも発見されなかった。

 光る石は、眩しいくらいに輝いている石。その石はヴァイオレットのような色で、人々を魅了するほどだった。

 そんな石が、自分の国でしか見つからなかったのだから、それじゃあその石を国の名前にしてしまおう、と思い至ったのである。

 勿論ヒイラギ達幹部――レオンは除く――も光る石は既に拝見しており、無事魅了されているのだが、そのような話があった為、ヒカリは特に光る石に思い入れがあった。


「なるほどな、それなら貿易品にしなかった理由も納得できた」


 そして、光る石の代わりに石炭と鉄が貿易品になったと。

 幾らなんでも物の質が違いすぎるのでは、とヒイラギは思ったが過ぎた話なので心の中にしまっておく。

 山に面した国である光石国にとって、石炭と鉄は溢れるほど取れる。その分使い所も多い方なのだが。

 光る石を渡したら、『もっといい物を…!』と相手国が思って皮や蜜柑よりもいい品が貰えるのではと考えてはいたが、嫌という感情が大きく出過ぎたヒカリ。


「まぁ、別に皮も蜜柑もいい品でしょ?」

「だな」


 こちら側としてはいい物を貰った。なので、別にもういいかと思ったのである。

 それに、もうとっくのとっくに過ぎた話だからね。 話し終わったところで、なんとも丁度なタイミングで総統室に着いた。書記室も総統室と隣にあるので、そこでふたりはわかれた。



 少しだけ書き方変えました。

 総統書記長さん以外のメンバーももっと出したい…

光る石の在処とは?

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