夜の病院は、静寂に包まれていた。 医師であり、アイドルでもある岩本照は、白衣のポケットに入れた小さなペンライトを指先で回しながら、病棟の廊下を歩いていた。 昼はステージで光を浴び、夜は命の現場に立つ。 誰にも言えない二重の顔を持ちながら、彼は毎日を必死に生きていた。そんなある日、彼のもとに新しい患者がやってくる。 ゆい。 カフェで働く明るい女性——だったはずが、最近は原因不明の体調不良に悩まされていた。
検査の結果は、重い病気。 そして、担当医に指名されたのが岩本照だった。
「先生、まさかテレビで見た“あの岩本照”さんが、ほんとに担当医なんて…」
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