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ラベンダー
第4話〜忘れられない人〜
ゆづきは高校生になってから思っていた以上に忙しくなってしまい、中々会えなくなってしまった。
少し寂しかったけど高校生はそうゆうもんなんだなと思うしかなかった。
でも何とかLINEや通話で乗り越えて私たちは付き合って1年が過ぎた。
私はデートの代わりにどうにかして会えないかなと思い、一緒に登校できないか聞いてみた。
ゆづきが一緒に行こうと言ってくれたので次の日から待ち合わせ場所と時間を決めて一緒に登校することになった。
数日後。
いつも通り一緒に登校し学校の前でばいばいしようとした時。
目の前がゆっくりと暗くなって頭を撫でられた感触があった。顔をあげてみるとゆづきがいて私は少し頭が追いつかなかったけど、そのままばいばいしてしまった。
もしかして今あたまポンポンされた…?
初めてのことで嬉しすぎてその日一日中そのことで頭がいっぱいになってしまった。
それからも私たちは幸せな日々を過ごした。
ある日やっとデートの約束が立てられた私達は久しぶりに公園でゆっくりした。
何もしなくてもそばに居られるだけで幸せだった。
公園のベンチに座っていると珍しくゆづきの方から甘えてきた。
え、かわいい…。
このまま離れないで欲しいな…。
そう思った。
でも本当にゆづきといる時間はあっという間に過ぎていく。
だんだん暗くなってきて帰る時間になった。 ゆづきはデートの時は毎回家まで送ってくれた。
2人で並んで歩いている時
ふと私も頑張って甘えてみようと思い
ゆづきに「ねね、あっためて?」と言って手を出した。
ゆづきは私の手を握ってそのまま自分の上着のポッケに入れてくれた。
「どう?あったかい?」
私は自分で蒔いた種なのにドキドキが止まらなくてゆづきの顔を見ることが出来なかった。
家に着いてばいばいしようとした時、ゆづきが今まで見たことのない寂しそうな顔をしていた。
そして私たちはしばらくぎゅーしていた。
私は今日の出来事が忘れられず、歌詞動画を作った。曲名は「ラベンダー」。
♪君は知ってる
僕が自分を知ってるよりも君の方が
僕のことを知ってる
小さなことで悩む僕のことを
君の存在が抱きしめた
私にとってゆづきは本当にこの歌詞にぴったり当てはまる存在だった。
学校が始まり、いつも通り待ち合わせ場所でゆづきのことを待っているとゆづきは時間になっても来なかった。
あれ、寝坊したのかな…。
私は不安になりつつも少し待ってみることにした。
するとゆづきが来て、少し暗い顔をしながらこう言った。
「あれ、DM見てない?」
私は家を出るのが早く確認できていなかった。
「ごめんもう家出てたかも。
なんて送ったの?」
「んーん。なんでもない」
ゆづきは教えてくれなかった。
それから2人で学校まで歩いたが全然会話は弾まず、私は不安でしょうがなかった。
もしかして「別れたい」とか来てたりして…。そう考えてしまい、気づいたら学校で泣いてしまっていた。
家に帰って確認してみると
「ごめん。今日から一緒に登校できない。ちょっと距離置いて欲しい」と来ていた。
「そっか。もしなんか悩んでることがあるんだったら言って欲しいな」
私はそう返信した。
でもゆづきは最後まで私を頼ってくれることは無かった。
1週間後。
「ごめんもう冷めちゃったから別れたい。」
覚悟はしていたけどやっぱり実際言われると悲しかった。
冷めちゃったとはっきり言われてしまったらもうどうにもならない。
でもゆづきからは離れたくなかった。
ずっと一緒に居たかった。
悔しいけどゆづきだったらどんな事でも許せた。
一緒に遊んだ回数は少ないけどすごく充実した1年2ヶ月だった。
沢山の思い出を振り返ってみると涙が止まらなかった。
思えば最後に遊んだのは「ラベンダー」の曲に合わせて歌詞動画を作った日だった。
曲のメロディーが頭をよぎる。
あれから3年。
私はその後2人と付き合って好きになったことに嘘は無いけどどうしてもゆづきと比べてしまっている自分がいた。
最後の人と付き合う前にゆづきに最後のわがままを言ったがやっぱり復縁はだめだった。
でも私にとってゆづきは特別で忘れられない存在だった。別れてからは
絶対に後悔させてやる…!
見返してやる…!!
その思いで頑張ってきた。
久しぶりに話すゆづきに 思い切って
本音を伝えてみると
「俺にとっても三玖は特別な存在だし、別れて後悔してるよ」と言われた。
でもやっぱり私たちがもう1度付き合うことは許されなかった。
本当に罪深い人だと思う。
もう何が本音なのか分からない。
付き合えない癖に私が他の人と幸せになるのは嫌だと言う。
全く何を言ってるのか分からない。
でも何故か否めないわがままな人。
きっと私は、自分は弄ばれているんだと思って諦めるしかないのだろう。
♪僕が居ても居なくても
このまま廻っていくんだと思うけれど
君が僕以外に幸せにされるなんて嫌だよ
そっと「ラベンダー」の歌詞を口ずさむ。
そんな私もきっと彼に負けないくらいわがままだ。
無理なことは分かっている。
それなのに求めてしまっている自分がいる。
たとえどれだけ都合良く使われても。
どれだけ心の距離が遠く離れても。
期待してしまっている自分がいる。
変わらないあなたがいることを。
何度振られても…。
ーそれでも私はずっと
あなたを待っていますー
〜end〜