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「ごめん、待たせたよね。」

「待ってないよ。」

莉音ちゃんが彼に告白するのを見たくなくてすぐに音楽室から出ました。

今でも嫌な感覚が残っています。

「あのさ、」

「ん?」

「あのさ、その、さっきさ、」

「うん。」

「莉音ちゃんに告白された?」

私が言った訳でも無いのに顔が赤くなります。

涙も出てきそうになります。

「告白されたよ。見てたんだ?」

「見るつもりはなかったんだけど、声が聞こえて、。」

何故だか言い訳みたいになってしまってどうすればいいのか分からなくなります。

「そっか。」

彼は何も言いません。

「断ったの?」

「え?うん。断ったよ?」

彼の機嫌が良くないように思えます。

「ごめん。覗き見したこと怒ってる?」

「なんで怒るの?怒ってないよ。」

「なんか、機嫌悪そうだったから、。」

「鈴、なんで下向くの?」

自分で傷ついて彼はなんにも思ってないのに勝手に勘違いして、自分勝手な私が嫌になります。

「ねぇ、鈴、鈴ちゃん。顔上げて。」

「嫌、。今颯太くんの顔みたら泣いちゃう。」

少しずつ呼吸が荒くなるのが分かります。

視界がぼやけて頭が真っ白になっていくのです。


彼女が倒れた。

俺のせいなのか、よく分からなかった。

彼女が何故倒れたのか。ただものすごく顔が赤くなり発熱のような症状でこのまま死んでしまうのではとも思う程だった。

スマホを取りだし救急車を呼んだ。

彼女のご両親にも連絡がいったらしい。

病院で待っているとテレビで見た事のある顔の人が俺に近付いてきた。

「君が鈴を助けてくれたのか?本当にありがとう。」

彼女の父親らしき人は俺の手を握り俺に感謝をした。

母親も俺にお礼を言いながら泣いている。

結局鈴には会えず俺は家に送り届けられた。

次の日の放課後鈴のいる病院に足を運んだ。

「鈴?いる?」

「颯太くん、。昨日助けてくれたって聞いた。ありがとう。」

「いや、別に。」

「私ね、癌なの。」

突然の告白。頭が真っ白になった。

ただ、癌だからと必ずしぬ訳では無い。

「治るんでしょ、?」

恐る恐る聞いた。

「末期癌。治らないの。余命はあと2ヶ月くらい。」

「2ヶ月、、。」

正直、信じられなかった。

なにかのドッキリだと心の中で思っていた。というか、無理やりそう思わせていた。

「これからはもう入院生活になるの。」

彼女のいない世界など受け入れられる気がしなかった。

「これから毎日見舞いに来るね。また明日。」

無理に張りつけた笑顔でそう言った。

そしてその場から早々と立ち去った。

涙が溢れそうだったから。

君は愛と読む 僕は恋と書く

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