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メルちゅわーん
20XX年 3月 20日 都内某所.
高層ビルが立ち並ぶ街で、異質な雰囲気を纏ったひとつの質素なビル。
その他の建元の比べると背は低く、あまり目立たない。
そんなビルの下には小さな桜の木が1本生えていた。
まるで崖に咲いた1輪の花のように孤立し、美しいその木を屋上から見下ろす2人の少年。
「桜、綺麗だな。」
1人の少年がふと顔を上げ口を開く。少年はどこか寂しそうな表情を浮かべていた。
「ね、この街にもこんなところがあったなんてびっくり、笑」
それに返答をするもうひとりの少年。この少年は、不安に満ちた表情をしていた。
「ほんとにな笑」
「ホントにするんだよね、」
「あぁ、もちろん。」
言葉を返した少年は、もう一度桜を見て、こういった。
「桜になる。」
その顔は笑顔に満ち溢れていた。まるで、穢れを知らない幼子のようだった。
それを聞いた少年は俯き、悔しそうな、悲しそうな表情を浮かべていた。
そんな彼を見て、気まずそうにしながらも少年は止まらない。
フェンスのない屋上の端に行き、桜を見下ろす。
未だ咲いていない部分のある未完成の桜が風に揺られ、数枚の花弁を落とした。
その桜たちはとても楽しそうで、愉快に見えた。
それを見た彼は、そっと足を踏み出した。
その日。少年は桜になった。
コメント
1件
わあ〜〜〜〜〜😭✨ 第1話からもうエモさ爆発しちゃったよ…!「桜になる」って言葉、綺麗だけどすごく切なくて、屋上から足を踏み出した瞬間の描写がもう胸にグッときた…。笑顔で言うからこそ、その裏にある覚悟とか寂しさが痛いほど伝わってくるよ。続きが気になりすぎる…!Luaさんの世界観、もう大好きだよ🌸💕