『人気な君だから』
注意書きは第一話をご覧下さい。
『_本日のゲストは!』
『今、1番人気の俳優と言っても過言じゃない!猫宮いふさんでーす!』
青『こんにちは〜、笑』
水「…やっぱかっこいいなぁ…」
僕の彼氏は俳優をやっている。
付き合った頃は仕事の依頼なんて全然来なかったのに、今やテレビに引っ張りだこの彼。
テレビに出ない日なんてないだろう。
現在午後9時。今日も彼はお仕事で夜遅くに帰ってくる。
最近同棲を始めたけど恋人らしいことは何一つしていない。
彼女として、こんなに人気になって嬉しい気持ちはあるけれど、反面、寂しい気持ちもあって。
今日はちょっと早く帰ってこないかなって期待してテレビをつけて待っている。
水「……あ、今日からドラマ始まるんだっけ…」
そういえば今日からいふくんが主演のドラマが始まるんだった。
ジャンルは……なんだっけ…。
まあ取り敢えず見てみようと番組を切り替える。
水「…!」
内容はラブストーリーだった。
目の見えない女の子に、少年が寄り添うお話らしい。
このドラマの元になっている漫画を読んだことがある気がする。
水「……見る気になれないや」
ピッと、さっきの番組に戻す。
いふくんと他の女性のラブストーリーなんて見る気になれない。
まあ、職業だし、仕方ないのかもしれないけど。
推しだけど、彼氏だから、キスシーンなんて絶対無理。
水「…輝いてるなぁ」
テレビの中で楽しそうに笑ういふくん。
最近、彼を待っても結局帰ってくる前に寝ちゃうし、顔も見てないな。
声も聞いてない。
水「……寂しいじゃん…」
大きい体で、大きい手で、僕を抱きしめて欲しいなぁ…。
手を繋いだり、キスしたり。
デートは難しいかもだけど、お家デートでもいいから。
一日中あなたといたい。
水「…なんて、わがままか…笑」
だけど、体は言うことを聞かなくて、気づけば彼に送っていた。
“会いたい”
水「…………え、やばっ、送っちゃった!?//」
正気に戻り、彼の仕事を邪魔してると感じた僕はすぐにそのメッセージを消した。
水「気づかれてませんように気づかれてませんように気づかれてませんように…!!」
ガチャッ
水「へぇッッ!?」
え、トビラ開いた…!?不法侵入者…!?
犯罪者…ッッ!?
取り敢えず戦闘態勢(?)に!!(??)
ガラッ
青「はぁっ…はぁっ…」
水「・・・」
水「……え、い、いふくん…?」
青「……なにそのポーズ、笑」
水「え、あ、いや……不法侵入者かと思い…」
え、ほんとにいふくん…?
こんなに早く帰ってくることある??
水「今日、早いね…」
青「彼女からあんな文章送られてきたら早く帰ってくるやろ」
水「……見られてたッッ!?///」
青「もちろん♪」
なんでッッ!?秒で消したはずなのに!!///
青「仕事で疲れたからほとけ癒して〜♪」ギュッ
水「んゎっ…///」
暖かい……久々にいふくんとハグしたなぁ…。
青「…ごめんな、寂しい思いさせてもうて」
水「……うん、寂しかった…」ギュッ
水「…でも、いふくんが人気になるのも嬉しいから」
青「…そっか」
青「…なぁほとけ」
水「ん、?」
青「俺、明日休みもらったんよ」
水「え、そうなの…?」
青「うん♪」
青「だから〜……」グイッ……チュッ♡
水「んむっ…!?////」
青「同棲してからのハジメテ、もらってもいい?♪」
水「……いいよ…////」
青「へへっ、♪じゃあ」ヒョイッ
青「ベッド行こっか♪」
水 コクッ
今夜はいつも以上に長くなりそうだ。