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Prologue2 『まずはアピールから‼︎』


日付 :5/13日

天気 :曇り

内容 :中也にアピール

結果 :失敗‼︎




唐突だが、今日は中也にアピールをしたいと思う。

幸い今日は、彼も私も休みでフリーだ。リビングから漂う珈琲の匂いから、彼は家でゆっくりと過ごすのだろうと推測する。まずは些細な会話から…、頭の中で何度もシチュエーションを繰り返しながらリビングへ行く。足を踏み出す度に強くなる、鼻腔を冴えぐる渋い香りがとても良い。リビングへ到着すると、推測の通りに、ソファに新聞片手に腰をかけ、珈琲を啜る彼がいた。


「よぉ、今日は早いんだな」


新聞から目は離さずに話しかけてくる。今こうして考えてみると、中也は私が浮気をしても、呆れずに話しかけてくれた。そこが大好きなんだった。だけどそのせいで私の欲望が心の底から這い上がり、溢れてしまったのだ。彼の些細な行動、言葉、気遣い。その全てが愛おしくて、愛おしくて、幾ら想っても足りないくらいに好きで。


「…おはよう」


先程まで新聞に夢中であった彼が此方を向く。そして驚いたかのように口をぱくぱくとさせ、固まっている。寝起きを証明するかのように掠れた声が出たからか。それとも、付き合ってから、まともに会話という会話をしなかった私から、挨拶の返事が来たからなのか。


「何、変な顔して」


そんな彼を見ていると、此方も何だか変な感じがして、誤魔化すように煽りを入れる。すると多分まだ戸惑っているのだろう、少し目を泳がせ、挙動不審になりながらも「…うっせぇ、」と返してきた。


「酷いなぁ~、あ、中也、私にも珈琲頂戴?」

「は?てめぇ珈琲飲めねぇだろ」

「何言ってるのさ、私も大人だよ?飲めないわけないじゃない」

「……んじゃあ後で後悔してもしらねぇぞ?」


にやり、と悪い顔。なんだかすごくイヤな予感…。そういえば私珈琲なんて飲んだのいつぶりだっけ…?でもそんなことよりも、久しぶりにきちんと中也と話せた気がする。そんな嬉しさで胸がいっぱいになり、思わず鼻歌を歌いながら、子供でもないのに足をぶらつかせ、私の為に淹れた珈琲を持った、大好きな彼の帰りを待ったのだった。




「……何を企んでやがる…?」



「ほらよ、」


何分か待つと、苦みを含んだ香ばしい香りとともに、漆黒の液体が揺れて目の前にだされた。


「ぉ~…」

「ほら、手前ぇが望んだ珈琲だ、早く飲めよ」


そう言い残して去ろうとする。


「待って…!」


そんな彼を逃すまいとして手を握りしめて、引き留める。先程まで、普通の恋人みたく会話をして、巫山戯る。今までそう言った経験がなかった自分には、行為目的でもない、仕事の為に欺くわけでもない、そんなただの温かい会話が、じわりと心の中に、優しく溶けていたのだった。

もう一回、あと一秒だけでも、あの温かい空間にいたい…。


「…あ”?」


そんな私の気持ちとは裏腹に、彼はめんどくさそうな表情を浮かべる。きっと、また何か文句を垂れてくると思ったのだろう。


「わ、私が飲み終わるまで、待ってよね…/」

「……」


私は少し俯き、照れながらそう発する。今までに自分の気持ちを彼に伝えたことはなかったからだ。


「なんでだ?」


俯きながら、顔が熱くなるのを感じながら待った言葉がそれだった。


「ぇ…?…えぇっと、だってほら…」

「…?」


拒絶か承諾の二択以外あり得ないと思っていた。まさか、何故?と理由を聞かれるとは…。


「だってほら、中也の珈琲が美味しくなかったら、作り直して貰わないとじゃない?」


予想外の返答に戸惑った私は、思わずそう返してしまった。まるで煽っているかのような、完璧な笑みをも添えて。彼の前では意地を張り続けてしまっていた末路というべきか。頭が使えなくなると、私の口はどうしても先に意地を張ってしまうらしい。


「…そうかよ」

「そ、そうそう、だからキミは私が飲み終わるまで待っ_」

「じゃあ飲むなよ」

「え…?」

「朝から変だと思ったんだ、いつもはしねぇ挨拶をして、普通な会話をした。…てっきり、俺らの関係を、お前なりにどうにかしようとしたんだと思った。」

「っ…!」

「でも、忘れてた。お前は俺が嫌いなんだった。」


つらつらと、私の心を踏み潰して行くような言葉を並べる彼に、本当は言い返すべきだった。

けれど、そんな事すらも考えられないほどに、私はただ悲しかった。


「…どうせ、今回は俺に難癖つけて、降参させたかったんだろ?それで、俺の方から別れを告げさせようとした、とかか?笑…本当にくだらねぇ…。」

「ちが…違う…私はっ!!!」

「私…は、…」

「太宰…、手前が俺のことを嫌がらせをするほど嫌いで、憎んでんなら別にそれでもいい」


違う、そんなんじゃない…私は…中也のことが…


「だけどな、俺だって黙ってそれを流す程お優しくはねぇ。だからな」


私は…中也が…!!


「今まで通り、嫌がらせとして手前と付き合うことをやめてやんねぇ」

「……ぇ」

「俺が嫌いな相手と付き合うと思ったか?冗談じゃあねぇ…この際だから言っとくが、俺も手前のことが、大嫌い、だ」

「…だい、きらい…」

「嗚呼、だから諦め_」

「っ…」


ついに言われてしまった。“大嫌い”という言葉。私が彼に対して抱いている感情とは、悲しくもかけ離れた感情。本当は知っていた、なんとなく、そうなんじゃないのかと、心の中で思っていた。


「(中也は私が、大嫌い…)」

「あはは……そっかぁ…」

「太宰…?」


自分で言ったくせに、焦ったように狼狽える彼の顔が、何故か酷く歪んで、霞んで見えた。


「何みてんの“…莫迦狗“…」


嗚呼、今、私は泣いているんだ。




【 備考 】

難しい…そしておかしい…!でも初めてなので許してください…!!

あとお久しぶりです…‼︎旅行エンジョイしてきましたよ!青の時代漫画版を1~4巻とbeast4巻をかいました…‼︎星河シワスさんの画力っ…‼︎えげつない…‼︎一応私小説版はどれも読んだんですが、beast4巻(漫画)ぼろ泣きしましたよ…😭織田作とはなしてるときの太宰さんのお顔と言ったらもう…😭😭そこでうるっしまして、最後のビルから落ちる瞬間にどばー…って…。シワスさんイラストの表情パターン多すぎません…⁇あんなに細かい描写できるなんて本当にお凄い…。


きっと明日には仲良く

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