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いつの間にか夜が訪れていた。夜は殺し屋にとって昼。たくさんの殺し屋が今日もこの夜、誰かの命を奪っている。汚い話だ。僕はと言うと、稽古服に着替え、いつも稽古をしてもらっているボスの別の部屋へ移動している。稽古服と言っても、上下黒の少しピッタリしている服に黒手袋のみ。僕はボスの部屋の少し先にある部屋に入った。『無花沙』と扉に名前が彫られている。ボス以外の人は僕しか入ることが許されていないボスのプライベートルームだ。「ウランです。失礼します。」

中に入ると、ボスが棚にしまってある大量の拳銃とナイフを手入れしているところだった。ボスのプライベートルームと言っても、ベッドなどの日常的家具は別部屋にあるからここにあるものは全て武器。ナイフ、拳銃、スコープ、手榴弾など色々。

「はいどうぞ。」

ーヒュンー

突然ボスが僕にナイフを投げてきた。僕は手軽にキャッチしたが、なかなか出来ないらしい。僕はナイフをペン回しのように回しながら言った。

「今日はどんな技をおしえてくれるんですか」

ボスはナイフをもてあそばせながら僕の方まで歩いてきた。

「うーむ。正直言うともうあまりないのだよ。君は自然に出来てしまうからね。」

「そうですか。」

なら仕方がない。対戦してもらおう。そう思って僕がボスに向かって跳躍しようとした瞬間、ボスはそれを読んでいたのか回避した。

「君の考えていることくらい分かるさ。全力で来なさい。」

「…」

僕は一度引き下がったあと、壁に向かって走り蹴ってボスの真上まで飛んだ。

「相変わらずケタ違いの身体能力」

ボスはそう呟きながら僕の攻撃を回避した。呟くことが出来るほどボスは今余裕なのだ。僕は集中モードに入り、ひたすらボスにアタックし続けた。ナイフの持ち方を何回も変え、攻撃をしかけた。ボスもついに黙り、避けるだけでなく攻撃を入れてきた。何分が経過しただろうか。きっと周りから見たら僕達のプレイは目に見えないスピードで行われているだろう。

「ッ…」

疲労が出てくる頃だ。僕は一旦引き下がった。垂れる汗を拭い、攻撃態勢を整えた。

「そろそろかな?」

今度はボスが僕に向かって走ってきた。ナイフで僕を切り刻もうとした時、僕はジャンプし攻撃をかわそうとした。が。

ードン!ー

結構高いジャンプ力を使ったはずが、ボスはそれが目的だったらしく僕の脚を掴み、思い切り床に投げ捨てた。そして僕の耳横に手を置き、顔にナイフを突き出した。床ドンのようなものだ。

「わたしの勝ちだね。」

「…」

相当びっくりしたような顔をしていたのか、ボスが僕の顔を見つめながら笑っていた。

「久しぶりに見たよ。君の”感情”。かわいいね。」

僕は起き上がることもできず、ボスを睨みつけながら言った。

「退いてください。」

ボスはしぶしぶ僕から距離を取った。汗がすごい。

「ヒヤッとしたよ。あせも久しぶりにかいた。さすが時期ボス。」

「僕はボスになるつもりはありません。ボスは貴方ですから。」

ボスはナイフをしまいながら言った。

「はは、それは嬉しいね。そういえば学校はどうだい?」

いきなり父親みたいなことを言い出した。僕は近くにあったフキンを手に取り、ナイフを拭きながら言った。

「いきなりなんですか。普通ですよ。殺しをしている方がよっぽど楽しいですけど。」

「へぇ。君に楽しいという感情があったのか。参考になったよ。」

僕は無情の殺人鬼だ。任務中は必ず無情以外の表情も感情もない。“人を殺すのに情など要らない”

ー僕は稽古を終えて、ボスの部屋をあとにしたー

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