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コメント失礼します! 司くんの類なら全部いいのにところで司くんがそれだけ類くんを愛しているんだなと分かってすごくいいなと思いました! 類くんから首締められる時凄く好きです💞
こっちも最高すぎます😭 やっぱりちょっと歪んでるのがたまらなく最高で… 後ストーリー繋がってるの大好き過ぎます💓
あ゙ーーーー😭😭😭ヤバイです!!!萌えます!!!ありがとうございます!!! 🙏✨️✨️✨️✨️ ルイのでーぶいを受け入れるツカサと罪悪感でずっと謝るルイ……もえるよ……(T_T)💞 すごく個人的なんですけど、途中で首絞めシーン(性癖)あるのがうれしすぎてめっちゃ笑顔になりました😁💗💗💗 最後のハグする終わり方がエモいです……普通の表現しか出来なくてごめんなさい……でもめっちゃすきです……
全面コンクリートの部屋に響くのは、人を殴っているかのような鈍い音。その音が、目の前の獣を更に興奮させる。
オレは類が好き。
特に友達もいなくて、人と最低限のコミュニケーションしかとらない類が好き。
誰に対してもすごく優しくて不器用な類が好き。
そんなに優しいのに、時折オレの為に暴走して暴力を振るってしまう類が好き。
「(好き、なんだが──。)」
「ごめん、本当にごめんね、司くん」
恋人であるオレに対しても優しすぎる類は、あまり好ましくない。
もう少しで、恋人という関係を築き始めてから一年が経つというのに、何度も「遠慮するな」と言っているのに。
類はいつも謝ってばかりで、ときどき辛そうな顔をしている。類は何も言わないが……何か悩み事でもあるのだろうか。悩み事があるなら、少しだけでいいからオレにも話してほしいと思う。オレは類の「恋人」だから。
「(…まあ、オレも人の事は言えないがな……)」
恋人という関係だからこそ、相手に捨てられないように振る舞ってしまうことが多々ある。類はオレを捨てなんてしないとわかっているつもりでも、不安になってしまう。…類も、そういう想いを抱えているのだろうか?
もし、そうだとしたら──。類を不安にさせるなんて、恋人失格じゃないか。
「…愛してるぞ、類」
類を安心させようと頬に手を添えてそう言ってあげれば、逆に類は嫌そうな顔をした。
「愛してるなんて、簡単に言わないでよ」
とても苦しそうに笑っていた。それも、オレの首を思いっきり絞めながら。
「(苦しそうな顔の類は好きじゃないが……やはり、この感覚が大好きだ)」
だんだんと酸素が薄くなっていく。
オレは類に首を絞められるのが好きだ。今は、今だけは嫌な事も考えずにいられるから。このままいっそ殺してほしいだなんていう感情が脳を過るが、それを言葉にするのは少し照れくさいので類には秘密にしている。
…なんて一瞬の快楽に溺れていると、類の呼吸音と共に、首を絞められていた手が離される。かと思えば、類はオレを思いっきり抱きしめた。
「ごめん、…ごめん、ね。こんな僕でごめん」
そんな謝らなくても、類なら全部いいのに。
……こんなことを言ったら、類に怒られてしまうだろうか。でも実際、類になら何をされても不快に感じないし、むしろ快感だ。オレは類の視界に入って類を独り占めしてるだけで、十分幸せなのだから。…それに、酷いことをされているときのほうが、愛されていると実感できる。
それらを本人に直接言うのはやはり恥ずかしいので、類には秘密だ。
「…はは、謝らないでくれ。お前は何も、悪い事はしていないのだから」
類を不安にさせないように、頭を優しく撫でる。小さい頃、大好きな妹によくこうしていたな。なんて事を思い出し、なんだかオレのほうが少し不安になってきた。
妹──咲希とはもう、しばらく会っていない。
咲希だけじゃない。冬弥や学校の友達、家族さえ、最後に会ったのは半年以上前だった。
えむと寧々は、オレ達と同じく半年ほど前からセカイに閉じこもっている。それと、最近二人は付き合ったらしい。えむからメッセージが来てると思えば、「寧々ちゃんとやっと付き合えた」という内容のルンルンで書いたような報告文章だった。
…今は類といるのだから、あまり他の人の事を考えたくはないが……なんて少し自己嫌悪に浸っていると、類はオレの顔を不思議そうに覗いた。
「…ねえ、司くん。」
優しい声だった。
「何か思う事があるなら、何でも言ってほしいな」
そんなことを急に言われたので、顔に出ていただろうかと少し焦る。
それにしても……類は久々に「僕は君の彼氏なんだから」なんてことを言ってくれた。その言葉を聞いて嬉しくなり、思わず頬が緩む。
「…そうだな。では──」
『もう少しだけ、抱きしめていてほしい。』
骨が折れるくらいに。
「……勿論だよ」
「…いいのか?本当に…」
「言ったじゃないか。僕は君の彼氏なんだ。」
今日の類は特に機嫌が良い気がする。いつもならこんな言葉、「恥ずかしいから」って何回も言わないはずなのに。
「それにしてはベクトルが違──」
「……勘違いしていないかい?愛してるのは、僕も同じなんだよ」
そうか、と何故か納得してしまった。
「…でも、そうだね。……まだ早いんじゃないかい?」
予想外のことを言われて動揺した。もしかして嫌だったのか?と心配になりつつも、類の顔を見て少し安心する。
「次の僕の誕生日まで、まだ一緒にいようよ」
類の笑顔を見ると、こっちまで笑顔になってしまうな。
「司くんの誕生日も一緒に祝いたいし、…フフ、どんな演出をつけようか?」
…楽しそうだな。さっきはあんなこと言ってしまったというのに、普通なら何故あんな事を言ったか理由を聞いてきたりするだろうに。…やはり、類は類で、オレの最高の彼氏だった。
「……『もう少しだけ』じゃなくて、最期までずーっと、抱きしめてあげるからね」
「心配しないで」とでも言うように、骨が折れそうなくらいに強く抱きしめてくれた。