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「おはよう」
…朝日が眩しくて中々開かない目を少し強引に開けると、目の前には愛おしい人。
この幸せな目覚めが来るまでに
僕たちが…俺たちが…乗り越えてきた物を知って欲しい。
一章〜何様だコイツ〜
社会人になり既に5年が経つとは思えないほど、まだまだ仕事に余裕のない僕。従兄弟の姿に憧れてこの教師という道に進んだ。
夢が叶った一方で、仕事をこなすごとに自分に向いていないと痛感させられるこの日々が、地味に自分の精神を砕いていく感覚が最近日増しに感じられる。
そんな5年目の4月。世の中も僕が勤務している学校(桜咲高等学校)も新生活や新入生、新職員となんでもかんでも「新」と付く季節になった。毎年のようにストレスが溜まる一年が始まると気怠げな表情を隠しきれなかった。
自分が担任するクラスの子たちを引き連れ全校集会が行われる体育館に移動する。まだこの時は今までに無いほど苦しむ日々が始まるとは思ってもいなかった。
9:00
全校集会が始まった。
校長挨拶・生徒会長挨拶・校則確認と長々しい会が進んでいく。いよいよ新職員の紹介…。
今年は養護教諭と数学の教員が赴任してきた。
養護教諭は30歳ぐらいの落ち着きのある女性。
数学教師は僕(27歳)と変わらないくらいの見ために、身長は180㌢はありそうな男らしいヤツだった。
そいつは凄く整った顔をしているわけでもないのに、僕は目を離すことが出来なかった。
今思えばこれが、僕の苦しい日の始まりだったんだ…。