テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
何時も通りの筈だった
朝起きる時間は既に勤務開始時刻を過ぎていて携帯を見れば通知が国木田君からの鬼電で埋まっている。
それでも私は焦る事無く優雅に身支度を済ます。
探偵社に向かう途中も川に飛び込んだり女性に心中を申し込んだりする。
そのおかげで探偵社に着く頃には勤務開始時間から3時間は過ぎていた。
太宰「おっはよー!」
敦「やっと来たんですか」
太宰「いや~寝坊してしまってね」
国木田「だーざーいー!」
国木田「貴様、遅れて来て其の態度か!」
太宰「ごめんよ、国木~田君」
国木田「反省もせず謝るでない!」
敦「まぁまぁ落ち着いてください!」
怒る国木田君を敦君が止める光景も見慣れたものだ
国木田「今日は外回りの仕事だ!」
太宰「え~やだなぁ」
国木田「文句を言わずに早く行け!」
そう言われ私は追い出されてしまった
太宰「行くしかないかぁ」
私は諦めて外へ向かった
此の時の私は知る由もなかった
地獄が迫っている事を_
太宰「あぁ疲れた 」
外に出てから30分程経った
今、私は街を歩いている
年末が近いという事もあり街中は人で溢れかえっていた
そんな街中で趣味の悪い帽子が私の視界に映った
太宰『中也だ』
私は中也の元へ駆け寄った
太宰「やぁ」
中也「手前何で此処に居るんだよ!」
太宰「外回りの仕事中でね~」
太宰「人混みの中、背の小さい趣味の悪い帽子を被ってる人が見えたから思わず」
中也「小さく無ぇし趣味も悪くねぇ!」
太宰「君はチビだろう?」
中也「チビじゃねぇ!」
中也「街中じゃなかったらぶっ殺してる ところだったぜ」
太宰「相変わらず短気だね~」
中也「チッ」
中也と話していると後ろから肩を掴まれた
◯◯「すいません」
太宰「はい?」
振り返ると帽子を深く被った細身で中年の男性が立っていた
◯◯「貴方、太宰治ですよね?」
太宰「そうですが何か御用ですか?」
◯◯「…見つけた」
嫌な予感がした
◯◯「太宰治さん…いや」
◯◯「【津島修治】」
太宰「ッ」
中也「…あぁ?」
落ち着け
平然を保て
太宰「…どちら様でしょうか?」
太宰「私の名前は太宰治です」
太宰「津島修治という方はご存知無いのですが…」
◯◯「やっと会えた」
◯◯「家に帰ろう」
太宰「ッ」
此れは駄目だ
話が聞こえてない
確信してしまっているんだ
逃げるしか無い
太宰「ッ!」
中也「ッおい!」
◯◯「…もう逃さないよ」
side中也
中也「ッおい!」
太宰の様子が可笑しい
あんな顔、見た事ねぇ
何だあの顔
今にも泣き出しそうな顔しやがって
急に如何したんだ
中也「止まれ!」
静止の言葉を呼び掛けても太宰が止まる事は無い
街中で異能使ったら目立つか?
昼間からポートマフィア幹部が街中で目立ったらやべぇよな
中也「クソッ」
side太宰
やばい
逃げないと
彼奴から
早く身を隠さないと
太宰「はぁッはぁッ」
中也「止まれ!」
後ろから中也の声が聞こえる
聞こえるけど体が止まらない
息が苦しい
肺が痛い
でも止まれない
目の前に裏道へ繋がる通路を見つけたので私は急いで通路へ入った
暗くて見えずらい
もう此処まで来たら大丈夫かな
そう思ったら体の力が抜けた
私はその場で座り込んでしまった
中也来て無いと良いな
こんな所、見られたく無い
来ない事を願ったが其の願いが叶う事は無かった
背後から私の名を呼ぶ声がする
耳鳴りがして聞こえ辛い
私今、如何なってる?
判らない
怖い
side中也
太宰が裏道へ繋がる通路に入ったのを見て俺は異能を使って太宰に追い付いた
蹲って苦しそうに息をする太宰を見て一瞬、体が固まった
中也「太宰!」
太宰の元へ駆け寄って肩を揺らすが過呼吸になっていて聞こえていない様だった
中也「息吸え!」
太宰「ヒュッ、ヒュッ」
どんどん青ざめていく顔色に焦りを覚えた
中也「落ち着けッ」
俺は太宰を抱き締めて背中を摩る
そうするとだんだん呼吸が戻って来た
中也「聞こえるか?」
太宰「ちゅうや…」
中也「ん、戻ったな」
太宰「もう大丈夫だから 放って置いて良いよ」
中也「あんな状態になってるの見て放って置けるかよ」
太宰「大丈夫だってば」
中也「…..」
太宰「もう行くね」
そう言って立ち上がると頭から倒れた
中也「おいッ!」
中也「大丈夫かッ」
意識はもう無い様だ
探偵社に連れて行くか
ポートマフィアに連れて行くか
普通の医者に連れた行くか
中也「…如何するのが正解だ?」
俺が連れて行くならやっぱりポートマフィアだよな…
中也「…もう少し耐えろよ、太宰」
中也「首領!」
森「如何したんだい?」
中也「太宰が倒れてしまって」
森「珍しい客人だね」
森「其処に寝かせてくれるかい?」
中也「はい」
首領は治療をしながら俺に経緯を求めた
俺は1から100まで詳しく話した
森「津島修治…」
中也「知っているのですか?」
森「津島家はね凄いお金持ちなんだよ」
森「母親は医者、父親は研究者」
森「兄弟は全部で6人」
中也「…詳しいですね」
森「有名だからね…悪い意味で」
中也「悪い意味?」
森「父親はね異能力の研究者なのだけれどね 」
森「裏との繋がりが凄くてね」
森「人身売買や薬物迄手を出していた」
森「でも研究としての実績も凄くてね」
森「彼の研究論から開発された治療もある」
森「研究材料って何だと思う?」
中也「異能力だから人間ですよね?」
森「人間は人間でもね自分の家族を使っていたらしいんだよ」
中也「家族を…?」
森「兄弟は全部で6人、其の6人でたくさんの研究をしている訳だ」
森「6人の兄弟の内、5人は死亡確認がされている」
森「其の5人は研究の所為で亡くなったのでは無いかと一時期騒がれた」
森「実際の所は判らないけれどね」
森「津島家は気味の悪い一家として有名なのだよ」
中也「其の津島の苗字が何故、太宰に向けられたのでしょうか」
森「…実はね太宰君の過去は私も知らないのだよ」
森「太宰君を拾った前の話は彼の口から聞いた事が無い」
森「此方でも調べたけど何も出て来なかった」
森「此ればかりは太宰君に聞いてみるしか無いね」
森「太宰君が目覚めたら少し話をしてくれないかな?」
中也「承知いたしました」
お久しぶりです
約一年ぶりですかね?
なかなか投稿できず申し訳ないです
新しいストーリーが思い浮かんだので試しに書いてみます
❤️・コメントしてくれるとやる気出ます
お願います