フルーティーなお酒を堪能しながら、ふと私が長い間ずっと胸に抱え込んできたことも、今ならちゃんと話せるかなと思い、ふぅーっと小さく息を吸い込んだ──。
私が、自分の名前に似たミコを好きになった本当の理由……それは、ミコのようなキャラクターを取り入れることで、自分自身が抱えるコンプレックスから脱け出せたらという、ささやかな願望だった。
その理由は、私の胸の内に深くしまい込んで、今まで誰にも話したことなどなかったのだけれど、ようやく話せる時が来たと……ううん、彼だから話したいと……心から、そう思った。
「……あの、本音を言えば、私がミコ&リコを好きになったのって、可愛いものを好きになったら、私も可愛くいられるかなって、思っていたからなんです。少しでも可愛くなりたくて、ずっと、私……」
告白をしながら、つい涙が滲みそうにもなって、何を泣いていてと思っていると、
「……君の可愛いさは、僕が一番わかっているから」
彼の指が伸びて、目尻に溜まった涙を掬い取った。
「君はいつもひたむきで、素直で、嘘がなくて、」
片腕に身体がそっと抱き寄せられ、
「どうしてそんな君を、可愛くないと思える」
甘やかな声音で、耳元へ囁きかけられた。
「愛してるよ、美都。君だけを」
「はい、私も……。私も……」
それ以上は言葉にならなかった。
彼のあたたかな腕の中で、愛される幸せを噛みしめて、いつまでもずっとずっと、可愛くありたいと感じた……。
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