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咲はペンをくるくると回しながら、勇気を出して聞いてみた。
「……じゃあ、悠真さんはどうやってテスト乗り切ってたんですか?」
「ん? ……必死に友達のノート写してた」
あっけらかんと答える悠真に、思わず吹き出してしまう。
「ふふっ……全然“大学生っぽい”って思えないです」
「おい、バカにしてるだろ」
けれど、口元は確かに笑っていた。
――その瞬間。
ふいに目が合って、時間が止まった気がした。
妹としてじゃなく、ただの後輩としてでもなく。
視線の奥で、悠真が咲を“ひとりの女の子”として捉えたように感じて、心臓が跳ねた。