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銀魂から、 あぶかむ です。
阿伏兎×神威
設定は最終軸。
阿伏兎(→?)←←←神威 くらいです。
すこーーーしだけえろいかも。
センシティブにしますが、ぬるいです。
それでも大丈夫な方はおすすみください。
阿伏兎「 だんちょ、これからどーすんだ。 」
唐突に言われた阿伏兎の言葉。
春雨は壊滅したし、俺だってもういい具合の歳。故郷に帰ると縁談やら何やらが持ちかけられて正直面倒だ。
俺は戦うことが好きだ。
戦うことで自分の価値を見出しているからだ。
神威 「 えーーーー、どうするってったってさー。 」
ずっと戦いの中に身を置きたい、それが本心で何も変わらない。
その中に、コイツもいて欲しいとかそんな柄にも無いことを想っている。
阿伏兎「 だんちょーも良い年だァ、嫁の1人や2人くらいいる年頃でしょーに。 」
神威 「 いらないネ。俺は戦っていたいんだ。強い奴と。 」
阿伏兎「 ま〜たそんな……。だんちょ…口の端に米粒付いてます。 」
神威 「 ? 」
呆れ顔の阿伏兎はため息をつきながら自分の口をトントンして俺の口に米がていることを教えてくる。俺はわざととぼけたふりをして見つめる。
阿伏兎「 ったく、、、もうガキじゃないんですから。 」
ぶつぶつと言いながらも米粒を取ってくれる阿伏兎。俺は満足気に笑えば、山積みになった丼を重ねて。
今日は特に依頼もなく、時間があるので墓参りにでも行こうと想っている。
阿伏兎「 あ〜あ…俺たちお金ないんですよだんちょ。食い過ぎ。 」
神威 「 報酬がたくさんもらえる難しいやつすれば一発だってー♪ 」
阿伏兎「 そう簡単に言ってられんのも今のうちですよほんと、、。 」
神威 「 かったいなぁ阿伏兎は。俺だってそれなりに考えてるって。 」
烙陽行きの船の中でそんな世間話を交わして。
船から見る景色は、一面星空で。
星しかない空に浮かぶ惑星と船。そんな中でも綺麗に輝くあの星は地球だ。
神威 「 ねーーー阿伏兎ぉ。 」
阿伏兎「 ? 」
神威 「 地球ってさー、あんなに人が住んでんのになんで綺麗なんだろーネー。 」
阿伏兎「 地球にいる人間はみんなとは言い切れませんが暖かいからじゃないですか。情に熱くて自己犠牲をすぐにする。だからこそ繋がる深いものがある。一概に言えませんけどね。 」
神威 「 ふぅん。 」
神威 「 じゃーさ、もし俺がそうなったら烙陽も青くなんのかな。 」
阿伏兎「 それはーー……、どうでしょうね。そうなると良いですね。 」
俺の故郷にはずっと雨が降っている。色がない様な景色の中で、色づいて見えるのはお前と家族だけ。
船から降りると故郷の砂を踏む。
今日もあいにく雨模様で、天気の調子はご機嫌斜めだ。
俺は墓へ寄る前に花を買いに花屋へ向かった。
勿論、阿伏兎も一緒に。
神威 「 おばちゃん、その花ちょうだい。花束で。 」
「 あいよ。 」
花束が包装されているのを眺めていると、後ろから知らない女が声を掛けてくる。阿伏兎は店内を見ていて気づいていない。
「 あれ、貴方って海坊主さんとこの…! 」
神威 「 ……何か用ですか? 」
俺は張り付けた様な笑顔でそう問うて。
「 良い縁談があるのよ〜!!______王国の皇女様。貴方の話をしたら是非との事なの、、!どうかしら?丁度この国に来ていてすぐ会えるのだけど..。 」
神威 「 あーーー。(また縁談。どうでも良いし興味もないし。これ以上縁談の戯言を言われたら殺してしまいそうだなぁ。) 」
俺は断ろうとしたその時、
阿伏兎「 ええ!是非。よろしくお願いします!! 」
神威 「 は?阿伏兎何かってに、 」
「 貴方は…? 」
阿伏兎「 おらぁ、この人の第二の保護者みたいなもんです。 」
保護者。そんな風にしか見られていないのか。しかもコイツ、勝手に話進めやがって。
俺は花を受け取ると逃げようと試み。
「 そうそう。来るなら美味しいご馳走と戦い好きの貴方の為に巨大怪獣を連れてきたらしいわよ。 」
神威 「 場所は。どこ。 」
阿伏兎「 っふ、 」
俺はその言葉に釣られ墓とは真逆の方角へ向かった。
デカい船に騒がしい船内。俺が来た瞬間大盛り上がりでなんかすごかった。
とりあえずひと段落ついたのでご馳走をもりもりと胃の中へ。
神威 「 んっんっ、 」
蜂 「 神威さん、ですよね。 」
神威 「 ? 」
蜂 「 アタシ、______皇女の蜂と申します。足を運んで頂き誠に感謝致します。 」
神威 「 あーアンタが、ね。ふぉんさん、でいいのかナ。 」
蜂 「 呼びやすいもので構いません。 」
母親に似た色の髪をしている子だった。弱い訳じゃなくて凛々しい強さも兼ね備えた女。
俺は少し興味が湧き、ゆるりと話をした。
数時間が経ち、色んな話をした後やはり縁談は断った。
その代わりにあの国からクエストを定期的に受けられる様になった。勿論、報酬付きで。
ところで、阿伏兎の姿が先刻から見えない。
船は降りていないだろうし、いそうな場所をとりあえず探すことにした。
神威 「 あぶとーーーーーー。どこだーー。 」
声を周りに飛ばせば当たりに目を凝らして。
花が枯れてしまう前に合流して墓へ行きたい。時間を思ったより食ってしまった。
探し歩いていると船の先端へ。
目を細めて遠くを見ると酒を片手に月見をする阿伏兎がいた。
神威 「 あぶ、 」
月に被る阿伏兎は、ぼさっとした長い髪が何故か艶っぽく映って。ゆるく吹く心地良い風が髪を梳く様に靡けば此方の存在に気付いて。
阿伏兎「 だんちょ、どうでしたか縁談は。 」
神威 「 全然。断ったヨ。 」
ゆっくりと阿伏兎の方へ近付いていけば隣に並んで。
夜風を感じつつ。
阿伏兎「 えーー、良い雰囲気だったじゃないですか。 」
神威 「 話が合っただけだヨ。別にそれ以上になりたいとかも思わなかったし。 」
阿伏兎「 勿体ないなァ…。 」
酒を口に運ぶ阿伏兎。
俺は堪らなくなった。一言で表すならこの感情はきっと愛だの恋だの、そんなもんだろう。
神威 「 今日はさ、雨の割には月が綺麗だネ。 」
精一杯の愛言葉。伝わっていようがいまいが、お前はきっと素知らぬ顔をしてかわしてしまうんだろう。そんな事は返答を聞かなくてもわかってしまうから。
阿伏兎「 んー…、、嗚呼、死んでも良いくらいですね。 」
神威 「 え、 」
阿伏兎「 こんなのどこで知ったんですか。俺なんかに言うのは勿体無いですよ。 」
予想外。しっかりと帰ってきて思わず凝視。あはは、と乾いた笑いを溢す阿伏兎は月に照らされてよく見えなくなった。
神威 「 阿伏兎こそ、女作らないのか。何処その女狐が好みだとゆってたし。 」
阿伏兎「 えーいやぁ、俺が女作っちゃうと団長が独りになっちゃうでしょ。 」
神威 「 そんなの気にしてんの。阿伏兎の癖に。 」
阿伏兎「 んな、、団長は大切な息子だと想ってるし、それに俺が居ないところで暴れられたら元も子もないですしね。 」
神威 「 息子、 」
そういう対象にならないこと。大切に想われる部類が違うこと。
恋焦がれる、そんな感情思い知りたくなかった。女だって作ろうと思えば作れる癖に作らないお前は、息子が心配でそこまでしてしまうお前は、ずるいやつだ。
俺は舩の縁にバランスよく立てば阿伏兎のマントを引き、
神威 「 俺が全部の縁談を断る理由の中にはお前もいんだヨ。 」
少し驚く阿伏兎を他所にキスをしてやった。酒臭いのなんの。
俺は縁から降りると、傘をさして告げた。
神威 「 花が枯れそうだから墓まで行ってくる。俺は返事なんて求めてない。お前はこれを機に俺についてくるか女作って幸せな家庭を築くか考えとけば。 」
いつもみたいに微笑んでそう告げれば墓へ向かった。
雨は止まない。
墓につけばしゃがんで花を変える。
自分がどれ程馬鹿なのかは承知しているが、孫を見せてやれなくて申し訳ないと心から思っている。
そんな事は気にしなくて良いと優しい母はきっと言ってくれるから、それにも胸が痛い。
今後、俺自身が好きになれる人間なんていないと思う。
例え絶世の美女だとしても、薄汚い戦いに惚けるあの男のが魅力的に見えるし、第一俺を受け止め切れるのはお前以外には重すぎる。
俺が戻った時、阿伏兎がいなくなっていてもきっと何も思わない。
お前への気持ちは無くなる事はないまま死ぬ前に少し思い出して、笑ってやる。
墓石を軽く撫でれば立ち上がり、その場所からは烙陽一体が見えるので雨の降るこの街をじっくりと見ていた。
数分が経っただろうか、そろそろ戻ってヤツの答えを見に行こうかな。
俺は墓へ続く長い坂を母に背を向けて歩き出した。
カチャ
突然背中に突き付けられる銃口。
なんだ…?敵か?いや、でもこの足音は…。
阿伏兎「 春雨第七師団団長にして、大ハンター海坊主の息子。お前の命を頂きにきた。 」
神威 「 …へぇ。取れるもんなら取ってみなヨ。 」
阿伏兎「 舐めてもらっちゃ困るぜェ、だんちょ。 」
阿伏兎は引き金を引いた。
辺りに一発の銃声が響くと同時に、顔を引かれて俺の唇は塞がれた。
腹でも貫通したかと思うくらいの衝撃と腹の底からの背徳感が巡り巡って。
神威 「 本当に殺してくれて良かったのに。意気地なしだな。 」
阿伏兎「 母親の前で殺せるかってんだ、このすっとこどっこい。 」
神威 「 はは、確かに罰当たりかも。 」
空へ撃たれた銃弾は雨と共に地面へ落ち、阿伏兎の開かれた傘の中で俺は目を細めて笑った。貼り付けの笑みではなく、心の底からの。
神威 「 で、お前の答えはこれ? 」
阿伏兎「 まあ。ずっと手塩に箱にしまってきた団長から、あんなことされちまうとどうも、な。 」
神威 「 てことは、俺の気持ち気付いてたんだ。 」
阿伏兎「 何年一緒にいると思ってんだ。気付くに決まってんでしょ。 」
神威 「 お前は。阿伏兎は俺のこといつから。 」
阿伏兎「 っだ〜〜……そりゃちょっと言いにくいなァ……。 」
神威 「 はァ、 」
じとっと伏した瞳で見つめると少し間を開けてため息をついた阿伏兎は、
阿伏兎「 一目惚れってやつだ。鳳仙に挑んでいく姿に惚れた。 」
俺は心がうるさいくらいに跳ねた。俺はやっぱりお前が好きなんだ。ああ、どうしようこんな時どんな回答を、どんな顔をすれば良いか分からない。
俺はぎゅっと阿伏兎の服を握りしめて、
神威 「 すっとこどっこいはどっちだヨ。阿伏兎。 」
阿伏兎「 ぁはは、そうだな。 」
俺は阿伏兎を見上げた。
照れ臭そうに笑って傘をくるくると回す姿はとても愛おしかった。
神威 「 俺はお前になら殺されて良いヨ。 」
阿伏兎「 そりゃ物騒なプロポーズだなァ。 」
ふは、と笑う阿伏兎は、俺を抱き抱えて月と被せた。
阿伏兎「 俺なんかに捕まっちまった兎。 」
神威 「 違うヨ。俺が捕まえたんだ。お前を。 」
二人して笑い合えば、少し長い、長くて短い、口付けを交わした。
fin