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自分のデスクに着くと、私は大量に積まれているファイルにため息を吐いた
「おい鈴木!これ、今日の昼までにやっておけよ」
「え、でも、まだプレゼン資料が、」
「あぁん?!お前、上司に向かって口答えかよ!?」
「、すみません、すぐやります、」
「ふん、最初からそう言っとけ」
そう言い、上司は自分の場所へと去った
今日も残業か、とため息を吐きながら
キーボードを叩いていく
仕事をする傍ら、窓には清々しい青空が広がっていた
あの日も、こんな青空だったろうか
____________
小学校を卒業し、中学校へ上がると
私は傑と距離を取るようになった
成績優秀、運動神経抜群、そしてモデルも顔負けのスタイルと顔
そんな傑が人気にならないはずがなく、いつも周りには女子やチャラそうな男子が集まっていた
だから私は、傑と距離を取った
もう小学校の頃とは違う
傑は私がいなくても平気だと、必死に自分に言い聞かせていた
それから、私は誰とも絡む訳でもなく、
孤独な2年間を送っていた
そして、とある夏休みの日
私は図書室で勉強し終わり、帰ろうとしたところで担任に教室掃除を言われたのだ
私は二つ返事で承諾し、教室へ向かうと
そこには既に先客がいた
「やぁ。冷夏も掃除を任されたのかい?」
「!夏油、」
そこには、爽やかな笑みを浮かべながら
窓の側に佇む傑がいた
「用事があって学校に来たら、ついでに教室掃除も頼まれてね。」
「、そっ。ならちゃっちゃと終わらそうぜ」
私は緊張で乾き切った口でそう言い、黒板の元へ向かった
何故だろうか、小学校の頃は何事もなく話せたはずなのに
どうして、傑と対面するだけでこんな、
私が黒板を拭いていると、
「、懐かしいね。覚えているかい?
小学生の時、いじめっ子に掃除当番を任された事」
「えっ、あ、あぁ、そんなこともあったな」
まさか声をかけられるとは思っておらず、少し上擦った声でそう答えた
小学生の時、私達はいじめっ子に掃除当番を押し付けられ、仕方なく二人でやっていた
「冷夏が蛇口を壊した時はどうしようかと思ったけどね」
「あれは、事故だっての。あれ元々取れかかってたし、」
「ふふっ。でも、あの時私が濡れないように庇ってくれた事、凄く嬉しかったよ」
「!、別に。ただの反射だから、夏油の為じゃない」
私は手を動かしながら、ぶっきらぼうにそう答えた
「ふふっ、素直じゃない所は相変わらずだね」
傑の笑い声が聞こえると、私の背後から影を差した
「夏油?」
「、前みたいに、傑とは呼んでくれないのかい?」
私が後ろを振り返ると、私の顔の横には傑の手が置かれ、完全に逃げ場を塞がれていた
そして、更に傑の腕が私の腰に周り、
傑と鼻先が当たりそうな程に近くなっていた