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「浴衣、はだけてしまったな……」
彼が言いながら、横たわる私の浴衣の衿を両手で合わせてくれる。
「……本当によく似合っていて、綺麗だ」
「……いえチーフも、すごく素敵で」
「ハハ、それじゃあ似合いのカップルかもな?」
布団の中で互いの鼻を付けて笑い合い、軽いキスを交わす。
「……汗をかいただろう? 部屋のシャワーを浴びてくるといい」
彼に促されて、「はい」とお風呂場に立った。
カランをひねり熱いシャワーを身体に浴びると、さっきまでの出来事がなんだか夢みたいにも思えてくるようだった。
「私、チーフと……」ひとり呟くと、頬が火照ってくるのが感じられた。
ボディソープで全身を洗い流し、バスタオルで拭いた後で浴衣を着直して、「お待たせしました」と、出て行くと、
「……君が、より綺麗に見えるな。……色っぽい」
彼がハッとしたようにこちらを見て、わずかに顔を赤らめた。
「……色っぽいだなんて」
また火照ってくる頬に、彼の手の平がふっと触れる。
「……もう一度、抱きたくなるな」
顎の先が引き寄せられ、唇が重ねられる。
「……君を求めたい気持ちはあるが、これ以上はせっかくの浴衣姿を乱したくはないからな。僕もシャワーを浴びてくるよ」
私の鼻先にちゅっと唇で触れると、彼がシャワーを浴びに行った。