春も終わり、桜色だった木々に緑が色づき始めた。
「あー!ジメジメするーー!うぜぇ!!」
一足先を歩く君がうざったそうに叫んだ。
見上げると、空はどんよりと曇っている。
『もうすぐ梅雨だな。』
「…はぁ、なんで梅雨ってあんの、要らなくね?」
『はいはい、早く歩けよ、遅刻すんぞ。』
そう言って先を歩く君を追い越した。
「相変わらず冷たい奴ー!俺以外に友達居ないくせに、」
小走りで隣まで歩いてきた君を尻目に、
『…友達とか、要らないし、』
と呟いた。
「ふーん…。よく分かんねー、いっぱい居た方が楽しいと思うけど、」
『…。』
そんな君の言葉にムカついて、俺は歩くスピードを上げた。
「あっおいっ!置いてくなよーー!!」
俺には君さえ居ればいいって、
君には一生教えてやんない。
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