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「あなた誰ですか!?いや、こっちこないで」

「っ、、、」

愛してるのは変わらないのにどうしてこんなにも苦しいんだろう。


あなたとの5年間


1年目

もともとこさめは記憶力がよくないほうだった。

言ったことをすぐ忘れちゃうし、物忘れも多くて

でもそれくらいだった。

それが愛らしくもあった。

「こさめ!これなんでしょう?」「あっ!こさめの参考書!そういえばない!どこにあったの?」

「講義室の机の下~」「わぁ~マジありがとう!やっぱこさめらんくんいないとだめだ~」

「こさめ、俺がいないと生きていけないんじゃないの?」「そうかも!でもそれでいいや~」

「っ、それとこれとは問題が違う!」「ふふっ~」

こさめが俺がいなきゃ無理と言ってくれるのがうれしくて仕方がなかった。


2年目

この年からだんだんこさめの記憶力は低下していった。

それだけじゃない。

(横断歩道)

テクテク

「こさめ!危ない!」

キキーッ

「危ねぇじゃねぇか!」「すみません」「たくっ、気をつけろよな!」

「こさめ!どうしたの?信号見えなかったの?」「えっ?なんでだろう。信号は見えてた」

「??とりあえず帰ろう」「うん」

判断力が落ちていた。

これだけじゃない。

「そいえばさ、間山先生がテストの答え言っちゃったのあれやばかったよね!」

「あ、うん、えっと、、」

「どうしたの?」「あ、そう!面白いね!」「?うん!ほんとびっくりしたよね~」

言葉に詰まることも増えた。


3年目

こさめの症状はさらに悪化していった。

「あれ?これ何?」「昨日一緒に買ったじゃん!」「そうだっけ?」

物忘れは更にひどくなった。

「ねえ!どうしてここに物置くの?こここさめのスペースじゃん!」「ご、ごめん」

いらつくことも増えた。

「ねえ、らんくんこれの作り方わからない、、」「えっ?これこさめの得意料理だよね?」「でもわからないの!」「教えるから聞いて」「うん」

得意料理の作り方さえ忘れてしまった。

「こさめ!こさめ?」「字が、字がうまく書けない、、」「ん?どしたの?」「んー、なんでもない!」

字が尋常じゃないほどうまく書けなくなっていた。


4年目

「こさめ、出かけよう」「どこに?」「んー、ついてからのお楽しみ!」「え~なにそれ~」


「ここってどこ?」「病院だよ。お願い。行って欲しいんだ。」「無理。いや。こさめ行きたくない!」

「お願い。こさめ。」ギュッ

「、、、行くだけだからね」

~~~~

「若年性認知症ですね。」「やっぱり。」「ご本人にはお伝えしなくていいんですか?」

「言ってももう理解できないだろうし。これ以上彼を傷つけたくないんです。」「そうですか。では、この薬を処方します。」

「ありがとうございます」

「こさめ!終わったよ!」「らんくん!あれ、ここどこ?」「えっ?、、ここは病院だよ」「なんで病院?」

「定期健診だよ」「定期健診?何それ」「定期的にお医者さんにみてもらうこと」「こさめ、異常なかった?」「うん。」

「こさめ、提案があるんだけど」「?」「一緒に住まない?」「えっ!住む!やっと行ってくれた!嬉しい!」

本当は医者にこのまま独り暮らしさせるのは危険だと言われたからだけど。そんなこと言えない。


5年目

こさめの症状はどんどん悪化していった。薬を飲んでもダメだった。

料理器具の使い方も仕事や家事のやり方も全部忘れていった。

「これ何?」「フライパン。ものを焼くの。」

「らんくん!これどうやって使うの?」「これは洗濯機。ここのボタンを何度か押して使うんだよ。一緒にやろうか」

~~~~

ある時は俺がお風呂から上がると

「こさめー?こさめ!こさめ!?」

いない、、迷子札とかはつけてない。交通事故にあったりしたら、、

ダダダダッ

「こさめ!勝手に出ちゃダメでしょ!」「夜ごはんのお惣菜買おうとしてたの」

「今何時だと思ってるの?2時だよ?」「あっ、そっか、、」「帰ろう」

「ここどこ?」「こさめの家」

こさめはだんだん会社にも行けなくなってしまった。

俺は心に限界を迎えていた。でも、こさめが愛おしいことに変わりはないから施設にいれることもできなかった。


~君との最終日~

ただただ普通に仕事をして、こさめの好きなケーキを買って帰った。そんな日だった。

家扉の前に立ち、こさめの喜ぶ顔を思い浮かべてにやけ顔でドアを開けた。

「ただいまー!」「、、、」「こさめ?どうしたの?」「あなた、誰ですか?」「えっ?」

ケーキを落とした。会社用の鞄も。

一番最初に思い浮かんだのは限界という言葉だった。

そして悲しい、つらいという感情が押し寄せてきた。

「本当におれのことわからない?」「誰ですか?警察に通報しますよ」

いつかこうなる日が来ることはわかっていた。

でも、あまりに突然すぎた。

脳が理解を拒否していた。

でも体は受け入れてるようでスマホの冷たい画面を叩いていた。

「こんな時間にすみません。、、、」

~~~~~

「えっ?誰?何?」「こさめさん。今日からあなたのおうちはここになります」「いやだぁ、、」

「、、らんくんといたいよぉ、、」「はい、こさめさん、乗りましょうね」「助けて!いやぁぁ」

「、、、こさめ、、ごめん。俺がもっとしっかりしてれば。もっと強ければ。愛してるよ。こさめ、、」



追記

「ダレカレ」を見て若年性認知症を題材にして書きたいなと思いまして。

書くの下手だし、若年性認知症について把握しきれてない部分もあると思うんですけど

少し目をつぶっていただければ幸いです。

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