テラーノベル
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とある事情により、東京卍會のメンバーと、風鈴高校(ボウフウリン)および獅子頭連の面々が合同でお泊まり会を開催することになった。「たまには親睦を深めるのも悪くねぇだろ!」という大人の事情(とマイキーの「なんか楽しそう!」の一言)で決まったこの企画。全員が畳の敷かれた大きな旅館に集まったものの、あらかじめくじ引きで決められた**『部屋割り』**が、すべての悲劇の始まりだった——。
第一号室:梅宮 & 三ツ谷(+迷子の苺)
【部屋のテーマ:ザ・平和】
「へぇ、三ツ谷は妹たちの服も自分で作ってんのか。すごいな!」
「梅宮さんこそ屋上で野菜育ててるってすげぇよ。今度育て方教えてくれよ」
緑茶を啜りながら、家庭的かつ包容力の塊のような会話を繰り広げる二人。
空間全体にマイナスイオンが漂い、誰もが「この部屋が最高の大当たりだ」と確信していた。
パァン!!
「う、うめぢゃぁぁぁん!!え~ん!ヒック……!!」
突如勢いよく障子が開くと、そこにはなぜか全身ピンクの苺柄ふわもこパジャマを着用した兎耳山丁子が立っていた。
ボロボロと大きな涙をこぼし、しゃくり上げながら梅宮に抱きつく。
「寂しかったよおぉ!部屋に変な奴しかいないんだよぉ!一緒に寝てよぉぉ!」
「おおう、丁子か!よしよし、分かったから泣くな!よし、一緒に煎餅でも喰うか!」
「……なるほど、こっちはこっちで大変なんだな」
三ツ谷は優しく苦笑いしながら、泣きじゃくる苺パジャマの頭を撫でてやるのだった。
第二号室:場地 & 杉下
【部屋のテーマ:試験会場ですか?】
「…………」
「…………」
静寂。圧倒的静寂。
部屋の中央、一定の距離を保って座る場地圭介と杉下京太郎。
二人とも腕組みをし、険しい顔で目を閉じている。
聞こえるのは、庭の鹿威し(ししおどし)が『カトン……』と響く音のみ。
(……なんだこの空気。こいつ、微動だにしねぇ……マイキー以外の奴と何話せばいいんだ……)
(……梅宮さん以外の奴と二人きりだと……息の吸い方が分からん……)
お互い内に秘めた熱い志と単細胞さを持つ二人だが、会話のきっかけが皆無。
ピンと張り詰めた空気は、緊張感の溢れる国家試験の会場そのものだった。
第三号室:千冬 & 楡井
【部屋のテーマ:異様にテンションが高いオタクたち】
「マジで!? 楡井、お前『週刊少年マガジン』の最新話読んだか!? あの伏線回収ヤバいだろ!」
「読みました千冬さん!あれは第32話の扉絵にあったあの小物が伏線だったんですよ!あぁぁ、鳥肌が止まりません!」
「わかってるじゃねぇか!!お前とはいい酒が飲めそうだ!(※ジュースです)」
「千冬さんッ!僕、ノートに東卍の皆さんのカッコいい決め台詞もバッチリメモしてありますからね!!」
互いのオタク心と熱量が完璧にシンクロしてしまった二人。
ポテトチップスを貪りながら、深夜2時を過ぎても一向に下がる気配のないテンションで語り明かしていた。
第四号室:十亀 & ドラケン
【部屋のテーマ:苦労人たちの晩酌】
「いや〜参ったねぇ。うちの元頭(兎耳山)は苺のパジャマ着てどっか走ってっちゃうし、獅子頭連も大変だよ」
「ハハッ、わかるぜ。うちのトップもさっきからメロンパン食って畳の上に転がったままだ。苦労すんな、十亀」
「ほんとだよ〜。ドラケンくんも、いつもお疲れ様。……乾杯する?」
「おう。乾杯」
カチャンとジュースの缶をあわせるふたり。
自由すぎるトップ(マイキー&兎耳山)を持つ者同士、言葉は少なくても痛いほど気持ちが伝わり合っていた。
一番大人で、平和で、哀愁の漂う空間である。
第五号室:マイキー & 蘇芳
【部屋のテーマ:深夜のホラー映画】
「ガガガガガ!!……ブォォォォン!!!(爆音)」
「……ん?」
隣の部屋まで揺れるほどの、重重低音の工事現場のようなイビキ。
犯人はもちろん、布団に入った瞬間秒で爆睡したマイキーだ。
重機が稼働しているかのような大音量が部屋中に響き渡る。
しかし、恐ろしいのはマイキーだけではなかった。
「……クスクス……あははハハッ……♪」
その爆音工事現場の隣で、蘇芳アイランドはアイマスクを着けたまま、すやすやと眠っていた。
そして、深夜の異常なテンションのまま、寝ながらめちゃくちゃ楽しそうに笑い続けている。
「ふふっ……首、折っちゃおうか……くすくす……」
「ズガガガガガガ(イビキ)」
部屋の外を通りかかった者が「怪奇現象か!?」と恐怖で泡を吹いて逃げ出すレベルの、地獄の重奏(ハーモニー)が奏でられていた。
第六号室:タケミチ & 桜遥
【部屋のテーマ:爆発寸前の被害者】
#都道府県ヒューマンズ
ただの大阪民
102
帳の部屋
49
14
「——でね!? ヒナが『タケミチくんは私のヒーローだよ』って微笑んでくれた時の顔が、マジで天使で!! いやもう世界一可愛くてさぁぁ!!」
「………………」
部屋の隅で、桜遥の額に青筋がバッキバキに浮かんでいた。
「でさでさ! 中学の時の誕生日にヒナがくれた四つ葉のクローバーのネックレスがさ! 俺、本当に嬉しくて……ヒナちゃんのためなら俺、何回でも未来をやり直せるっていうかさぁ!!」
「……おい」
「ヒナの好きな食べ物はココアでね! 寒がりだから冬は手袋プレゼントしたんだけど、照れて顔真っ赤にしてさぁ! 本当にヒナちゃん最高なんだよ桜くん聞いてる!?」
「うるっせぇぇぇぇえええええ!!!!何時間その『ヒナちゃん』って話してんだテメェはぁぁぁあ!!!」
ガタッ!と立ち上がった桜が、タケミチの胸ぐらを掴んで揺さぶる!
顔を真っ赤にし、照れと苛立ちが限界突破した桜の叫び声が部屋に響き渡る。
「だいたいなんだその甘っちょろい話は! 照れるだろバカ! 俺にそんなノロケ聞かせてどうすんだよ! 寝させろ! 俺を今すぐ寝かせろ!!」
「ひぇぇぇ!? ご、ごめん桜くん! でもヒナちゃんの可愛さはまだ半分も話してなくて——」
「続き話したらブッ飛ばすぞコラァ!!」
朝食の広場に集まった面々。
熟睡してすっきりした顔のマイキーと蘇芳。
仲良く朝食の味噌汁の味付けについて語り合う梅宮・三ツ谷と、その横で苺パジャマのまま梅宮の白米を勝手に食べる兎耳山。
なぜか友情が芽生え、爽やかに挨拶を交わす十亀とドラケン。
一言も喋らないまま朝を迎えた場地と杉下。
「昨日の考察の続きなんですけど!」とまだ元気な千冬と楡井。
そして——
「うぅ……ヒナの話、最後まで聞いてくれなかった……」と首を抑えるタケミチと、
「二度とアイツと同じ部屋にするな……」と、目の下に深刻なクマを作って殺気を放つ桜遥の姿があった。
かくして、東卍×防風鈴の合同お泊まり会は、最高の(?)思い出と共に幕を閉じたのだった。
コメント
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うわあ、これはめちゃくちゃ面白かったです!各部屋のメンバー割りが絶妙で、キャラの性格が存分に活かされてて、読んでてニヤニヤが止まりませんでした。特に場地と杉下の無言の緊張感、「試験会場ですか?」のテーマに思わず笑っちゃいました。千冬と楡井のオタクトークも最高ですし、タケミチのヒナ愛で桜がキレる流れ、切実さとコミカルさのバランスが絶妙でした。合同お泊まり会って発想自体が贅沢で、キャラ同士の化学反応がたっぷり味わえる素敵な1話でした!続きが読みたいです🌷