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久しぶりの東京駅。
ttが上京することになって、待ち合わせた場所。
あの頃と多少変わった場所もあるけど、相変わらずの人の多さに気分が悪くなった。
ttと歩いた道のりを思い出しながら地下鉄を乗り継ぎ、とある駅で降りた。
大通りから路地裏に入り10分ほど歩けば、懐かしい白い建物が見えてくる。
俺とttが二人で暮らしたシェアハウス。
シェアハウスと言えば聞こえは良いが、実際は2LDKの狭い賃貸マンションだ。
ひと月ほど前、部屋が空きになっていることをネットで知った。
なんとなく部屋を契約し、鍵を受け取り、そして今日、なんとなく来てみた。
数年ぶりに入ったその部屋は、今の家と比べ物にならないくらい狭く古い。
しかし南向きのその部屋は外の光をキラキラと受け入れ、穏やかで暖かく、喉の奥のつまりを溶かしてくれるようだった。
東京で生きていくために、二人で見つけた小さな居場所。
ギリギリの生活だったのに、今より我慢も苦労も多かったはずなのに。
もうttは俺だけのものになったのに。
「…何で戻りたいんだろう。」
「改めてよろしくね、tt!」
「おぅ!俺らの伝説への一歩がとうとうはじまったな」
「楽しみやなぁ、今の俺らならなんでもできる気がするわ」
「…」
「tt…」
「ーーーーーーーーーー?」
「…?何ゆうとるん、そんなの当たり前やろ」
「何があっても俺はお前と一緒やで。俺はお前のもんや!」ニッ
「こちらこそ改めてよろしくな、jp」
本当はわかってるんだ。
ttはyaくんとurりんと、そして俺を守るために、自ら堕ちていったんだって。
でももうどうして良いかわからないんだ。
俺の愛情と悩乱と悲哀が抑えきれなくなって、離れていくのが不安で不安で、ttを壊してしまった。
ttは昔も、壊れた今も、変わらず俺を受け入れてくれている。
だから俺はこの先、誰を傷つけても、俺が傷ついても、ttだけを守るんだ。
ttはもう元に戻れないから。
これ以上ここにいたら鮮やかな面影に飲み込まれそうだ。
帰ろう。
ttのところへ。