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jpが一軒家に帰り着いたのは夕暮れ前だった。
yaの部屋は電気がついているが、ほかはまだ消えている。
(tt寝てるのかな、、昨夜も無理させたしな)
結構良い店で選んだ、お土産の高級フルーツをリュックから取り出し、手に持った。
「tt〜ただいま〜」
上階から物音がして、ゆっくりと階段を降りてくる音がする。
(yaか…ttはいつも駆けてくるから)
ふぅ、とため息をついてテーブルにフルーツを置いた。
「jp」
「!」
「tt!ただい…ま、、、」
パァッと明るい笑顔で振り向いたjpは、そのまま固まってしまった。
「おかえりjp、、遅かったな」
そこに立っていたのはいつもの儚いttではなかった。
黄色のシャツに青のズボンを履き、左目には眼帯を着けている。
昔のままの…tt。
「…ッ、t、t…」
「その服…どうしたの?目も…怪我しちゃった?」
少し憂いを帯びた表情で微笑むttに、jpは動けないでいる。
ttの後ろからyaがあらわれた。
「…俺がたまたま見つけたんだ、、、」
「お前、自分のものもkrptのものも全部全部処分したくせに、ttのこれだけはとってたんだなぁ、、、」ポロポロ
「ttに見せたら、ttが帰ってきたんだよ、、jp…ッ」
jpが戻る数時間前。
yaが物置で見つけたttの服と眼帯。
それを見たttは目を見開いたまま立ち尽くした。
「、、、ッうぅ!!」
強烈な嘔気にトイレに駆け込んだが、胃液ばかりでほとんど何も出てこない。
冷や汗を浮かべ呼吸を乱すttを、yaは背をさすりながら不安気な表情で覗き込んだ。
「tt…」
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、、、yaくん、、」
「なぁにtt」
「…」
「……俺、あいつを、、jpを取り戻さんと、、、」
「urも、絶対帰ってくる、、」
「絶対、絶対、俺がなんとかする…!」
あのときからずっと、弱々しくて脆そうで、どこか朧げだったtt。
その瞳にはあの頃のような強さが戻ってきていた。
「ya、、、ッ、てめェ、、、!」
みるみるとjpは表情を崩し、yaを睨みつけた。
yaも引き下がるつもりはなかった。
でも、涙で言葉が出なかった。
ttはyaを下がらせると、jpを見つめ話し出した。
「…jp、目ェ醒ましや。そろそろあの頃に戻ろう。これ以上は本当に戻れなくなる」
「yaくんとurを傷つけてしまったな…二人で頭下げよう。krptのみんなにも会いに行こう。許してもらえるまで、一緒に償おう。俺らにできることを精一杯やろう」
「…」
ttなんで?
俺もttももう戻れないから、あの頃の俺らは消えたから、俺がそばにいないとって、、、
俺の、、俺だけのttだから、、、
いかないで、ひとりであの頃に戻らないで。
お い て い か な い で
顔を覆った指先に力が入り、血が滲む。
鮮やかな面影が浮かび上がる。
何も怖いものはなくて、世界が輝いて見えた、暖かく愛おしい日々…
「お前ほんまナイスやわ。」
「…?」
「お前がこの眼帯を残しとったから、思い出せたんだよ」
「これをお前からもらった時の気持ち」
「わくわくして、少し不安で、、でもお前となら…って」
ーーjpがくれたこれがあれば、絶対”今の思い”を忘れへんやろ??
お前がいれば怖いもんないわ。二人でやれるとこまで、やってみよなーー
「……」ポロッ
「俺は戻ってきたよ、ここにいる」
「jp」
「戻ってこい」
ttは大きく腕を広げた。
jpの瞳から淀みが消えていく。
美しいターコイズブルーの瞳から暖かい涙がこぼれ落ちる。
その腕にjpは静かに飛び込んだ。
受け止め、強く強く、抱きしめる。
jpの涙を久しぶりに見た気がした。
そのまま二人はゆっくりと座り込んだ。
「tt、tt…ッ」ポロポロ
「ごめん、、ッ、ごめんね、、ッ」
「ごめんなさい、、、ッ」
「おーよしよし、お前も辛かったんだもんな」
「ttが大好きだった、、ッ、昔に戻りたくて、どうしていいかわからなくて、離れていくのがこわくて、、!ttをたくさん傷つけた、たくさん泣かせた、、、ッ」
「心も体も、krptも、人生も、ttの大事なもの、全部俺が奪った、、、ッ」
「…ぅん…」
「本当にごめんなさい、、、ごめん、tt、、、」
「ほんま…いろんなもん失ったな…」
「…でも、お前はここにおるんやろ?」
ttの手が髪を撫でてくる。
jpは恐る恐る顔をあげた。
黄金色の瞳が優しく見つめていた。
ttの目に映るjp。
俺のことを見透かして、受け入れて、全てを包み込んでくれる暖かい光。
「…tt…」
「俺のそばに…いてくれる?」
「…!」ポロッ
「何ゆうとるん、、そんなの当たり前やろ、、」ポロポロ
「何があっても俺はお前と一緒やで、、俺はお前のもん、、やから、、、」
黄昏の空の色が、jpとttを照らす。
暖かく愛おしい日々の向こうから、あの頃の2人が微笑んでいるように見えた。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、
「………jp、さん…」