──────いえもん視点──────
あの戦闘から3日ほど経った。現在、俺は図書室に来ている。図書室、と一言で言ったが正確に言えば大図書館と言った方が正しいだろうと思うほどの広さだった。まるでその階全てが図書室になっているのでは?と錯覚してしまうほど。
この空間はレイラーさんが作っているため、どうして一室でここまで広くなっているのかを聞くことは不可能である。また、本の殆どはレイラーさんかみぞれさんの本であった。
レイラーさんは主に魔導書や剣の扱い方、自己防衛術などの戦闘系の本が多く見られる。所々に小説があり、恋愛系や、戦闘系など、どれもハッピーエンドの本だった。現実逃避でもしていたのか、そんな想像をしてみるが、恐らく違うのだろうな、という結論に至る。
それに対しみぞれさんは料理系や、景色などの図鑑、植物などの自然関係が多く見られる他、おそらく自ら執筆したのであろう本などがあった。また、世界のあらゆる言語についてや、文化、人間と仲良くなる方法、などの少し変わった本なども置いてある。
その他のメンバーが持ってきたであろう本は専用の本棚が設けられており、ちらりと覗いてみる。
めめさんのには心理学についての本や、ものに魔力を宿す方法、黒魔術についてなどの本が置いてある。それだけでも本棚1つ程の量の本がある。その本は様々な言語で書かれており、俺にはなんて書いてあるかも分からない本もあった。
俺の本棚には数冊の本が入っている。魔力の扱い方や、先頭のやり方、交友関係のやり方…などの初心者向け、とでも言うべきかという本が並べられていた。俺はそこから1冊本を取りだし、空中に浮かせる。後で読もうと思ったからだ。
次の本棚には持ち主が何も書かれていない本棚だった。不思議に思いつつ、中身を覗く。植物との共存、交渉術などの本が列べられている。植物…なのだからおそらく菓子さんの本棚なのだろうと察しがつくが、その隣も菓子さんだったので本棚がふたつもあるのか、と思う。
次の本棚は…と思っていたがそろそろやめて置く。時間が限られているからだ。今は魔法の扱える幅を増やした方がいい、そう判断した。
戦闘系の本が集まる場所に行く。そうすれば俺を囲むかのようにズラっと並ぶ。魔法とは便利なもので、素早く俺に最適な本が上から舞い落ちる。その本を回収し、椅子や、机のあるところに移動する。立ちながら読もうとは思えなかったからだ。
俺がその場所に向かえば先客がいた。めめさんだった。数十冊以上あるであろう本を前にスラスラと読み進めていた。なんの本なのか、そう聞きたかったが、如何せん、とても集中していたので話しかけられる雰囲気ではなかった。しかし、気になるものは気になるのでその本の題名があるであろう場所を見れば【日記】。そう書かれていた。俺がそこから目を離せば、めめさんと目が合う。
「どうかしましたか?」
そう微笑をたずさえながらめめさんは俺に尋ねる。俺は一瞬質問を忘れる。図書館の光に当てられためめさんがとても美しかったからだ。慣れないものだ。しかし、今考えれば、最初は目を合わすことすら難しいコミ障っぷりを発揮したが、今では自分の意見を言えるまでになっている。成長したんだなぁ、とどこか他人事のように思いながら忘れた質問を思い出し、尋ねる。
「それ、誰の日記ですか?」
俺が尋ねるとめめさんは寂しげに笑いながら俺を手招きする。見ろ、ということらしいのでお隣を失礼し、その内容を見る。その本の文字は俺には理解できない言語で書かれていた。
「…なんて書いてあるんです?」
俺がそう尋ねればめめさんは囁くような小さな声で
「『ここに、俺の人生を記録する。』ですよ。」
めめさんがそう言う。めめさんは読めるらしい、まあ、先程で読んでいたのだから当たり前だが、博識だな〜なんて浅い感想を抱く。しかし、これを書いた人は相当厨二病らしい。
めめさんは俺が読めない事を知ると、代わりに朗読してくれる。
「『妹か、弟、はたまた歴史を知りたい科学者に読まれた時に念の為、俺について書いておく。この日記を記したのは俺、ガンマス・イヴィジェルである。』」
ガンマス・イヴィジェル。それはおそらくガンマスさんの本名であることを示していた。めめさんが「ガンマスではなく本名が書いてありますけど、わかりやすいようにこう言いますね。」と言われ、ガンマスさんの本名がガンマスではないことを知る。めめさんは俺の驚きを無視するかのように朗読を続ける。
「『まず、俺を知るものが最初に驚くのは一人称だと思う。普段、俺は俺の事を『私』と呼ぶからだ。しかし、日記でくらい自分を偽るのを辞めたい。それを、否定しないで欲しい。
念の為、俺がガンマスであることを証明しておく。俺の能力を書けばだいたいの人は疑うことを辞めるはずだがそんなに疑いたいならば俺に直接聞いてくれても構わない。生きていたら、だが。俺の能力は【救済】。能力の内容は以下に記す。』」
まるで、こちら側に話しかけるような内容。ガンマスさんは、これを誰かに見られることを予見していたらしい。その先を見通す千里眼、と言うべきか、さすが天狗だ、とは思う。ちなみに、とめめさんが付け足す。
「これには呪文が施されていて、元々ただの小説でした。この本の呪文を解除すると日記になるみたいですね。」
…元々見せる気はなかったらしい。そうなってくると勝手に見ても良いものなのだろうか?そう思うがめめさんは朗読し続ける。
「『能力:救済
それは、俺が思う、または相手の思う救済を与えることが出来る。それは寿命であろうとも、代償であろうとも、救済する。死が救済と言うのならば死だって与えることが出来る。
条件:私がその人物を目で視認する、またはその人物が私の目を見る
代償は存在しない。何故ならば天使と悪魔のハーフという種族的な代償を払っていると言っても過言では無いからだ。』」
「…!!天使と、悪魔のハーフ…?」
俺は、そのハーフを見たことがあった。めめさんと顔を見合わせる。めめさんも目を見開いていた。驚いている。そう、その知っているハーフ──────『メテヲ』を俺たちは知っているからだった。
ここで切ります!最近投稿してなくてすみませんでしたァ!!!これには…!!これにはマリアナ海溝よりも深いわけが…!!英語のスピーチ→卒業式前→卒業式があって疲れきってたんですよ!!なんで中二も出席しなければならないのか…てことで許してください…!!なんなら180話目の記念イラスト…失敗作しかないんですけど…いいですかね?てことで…どぞ…2人分+横顔がいけなかったんです!!私は悪くない!!(責任転嫁)
なんならここ本当は鎌があって
めめさん「甘いですねw」
いえ「強すぎるんですよ…!!」
っていう戦闘練習シーンにしたかったんですけど鎌描くのめんどくなって辞めちゃいました…2人分は大変!!あと厚塗り風でやると肌が大変!!以上を中継しました!
おつはる!
コメント
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久しぶりでも安心感がある誤字