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山田
556
つらです
60
88
hinaだよ
10,497
※こうたんメイン
初執筆なので見づらいかもしれませ。
※体調不良(眩暈等)描写あり
『熱中症』
***
***
「…あれ?いもむし?」
「暑さにやられちゃったかなー」
真夏の中、遠出の企画が終わり
Kunさんの「帰るぞー」という声でみんな支度を始めた。
そんな中。
いもむしが寝ていた。
可愛らしい寝顔で。
今回は実写企画だったし、
いもむしは運動神経がいいから大活躍だった。
その疲れもあるのだろう。
ただ、ここは借りてる場所だから帰らなくてはいけない。
「どうしよっか…」
「こうたんいもちゃおぶれる?」
「あ、はい」
みんな撮影器具とかを持っているのに
僕だけほぼ手ぶらに近かった。
いつもの青いリュックサックを前につけ
いもむしをおんぶする。
軽い。
僕ほどじゃないけど(
撮影場所から帰るまで徒歩3時間。
「こまめに水分取れよー」
Kunさん…やめましょうよ…。
内心そう思った。
公共交通機関を使うと誰に撮られるかもわからないし
安全ではないとKunさんは言い出し徒歩になった。
日差しが強い。
蝉の声がうるさい。
歩いて約1時間が経った。
それまでみんな企画の話とかで盛り上がっていたが
普段外出しない上に、いもむしを背負ってる僕にとっては
あまりにも過酷で、会話に参加できなかった。
「はぁ…疲れた」
「一回休憩するか」
やっと、やっと休める。
そう思っても僕はいもむしを背負ったまま。
いもむしの熱が伝わってきて暑い。
その上、前にリュックを付けてるから挟まれている。
「水飲んだほうがいいよね?」
僕の前に水がきて、喉乾いてたからやっと飲める…と、
そう思ったのも束の間、
水が見えたのは一瞬だった。
「熱中症なったらやばいしな」
「アクエリあるよ」
「…お、飲めた」
「えらいじゃん」
どうやら、みんないもむしに飲ませたようだった。
みんな、いもむしばっかり心配して、
僕のことなんか見向きもせず。
「よっしゃいくかぁー」
「Kunさぁん…早いですよ…」
そうは言いながらもみんな汗すらかかず
撮影中のように元気な顔に戻っていた。
正直、しんどかった。
めまいを感じ始めてたのはそれから30分後くらい。
だんだん足が重くなって、
耳鳴りがするようになってきた。
ちゃんとみんな数十分おきに水をのんで
また楽しく話して。
僕は、いもむしを抱えて
水すら飲めず。
「こうたんいもむし起こすなよ?笑」
「あれ、そういえば」
やっと気づいてもらえたと思った。
こうたん水飲んでないじゃん!
大丈夫?
おい言えよーw
そんなみんなの声が聞こえた、気がした。
でも実際耳に入ったのは
「こうたん、さっき走ってた?w」
「お前まさかいもむしがバク宙とかしてる間座ってた?!w」
夢を見た僕が悪かった。
人生そんなうまくいかない。
でもこんなことで弱音を吐けなかった。
僕が我慢すればいいだけ。
みんな、いもむしのことは
何回も見たり、心配して。
…優しいね。
頭の中でつぶやいたその言葉に温度なんかなかった。
みんな、いもむしという存在を愛してるんだ。
僕は、人気投票2位だった。
でも所詮、人気なのはGODこうたんで。
僕という存在は誰も好いていない。
**【僕が造った】**GODこうたんが好きなんだ。
僕が偽善者でいなければ。
ありのままの僕を、愛してくれたのかな。
「お前らあと10分だぞー」
「よっしゃあ!」
「早くあの企画やろーぜ」
その声が、動画上の音声のように聞こえた。
結局3時間水分を一滴も取らず、
座ることすらできなかった僕は
だんだん視界の隅から暗くなっていくのを感じた。
だめだ。
僕が倒れたら、いもむしが怪我をしてしまう。
みんなが大好きな、いもむしが。
そんなのダメだ。
でも、でも…
もう、わかんないや
前にいる人が誰かすらわからなくなってきて
急いで声をかけた。
もしかしたら話を遮ったかもしれない。
そうだったらごめん。
でも僕もう…。
「…ちょっと、変わってくれない…ッ?」
3時間ぶりに発したその声は、
きっと、GODこうたん
いや、こうたんですらなかったんだろうな。
うまく、笑えてたかな。
いもむし、起こさなかったかな。
ごめんね、僕弱くて。
床のコンクリートの熱が頬に伝わった。
みんなごめん。
僕は、意識を失った。
コメント
3件
え、あの好きです、天才ですか、、??
うわ、めっちゃ刺さったわ…。最初はほのぼのした空気かと思ったら、こうたんの視点で「自分だけ見てもらえてない」孤独がじわじわ来る感じ、やばかった。水回しのシーンとか、みんないもむしばっかで、こうたんの存在がすり抜けてく描写が辛すぎる。最後の「うまく笑えてたかな」で完全に持ってかれた。連載中なら続きが気になるし、この1話だけでも完成度高すぎる…🔥 お疲れさま、mint_3さん。