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リュミエルの北部、テネブル地方。 北部といっても王都からあまり遠くなく過ごしやすい。しかしたくさんの人が住んでいる訳では無い。理由はその立地の悪さである、テネブル地方は北部であって最北ではない。リュミエルの最北テネブルの隣、元々はサジェスと呼ばれていた場所。その場所の特性上魔力が定着しておらず、サジェスが滅ぼされたあと他の魔力や魔力跡が無く過ごしやすい土地を狙い上位の魔獣や魔物が蔓延っていた、しかもリュミエルに破壊されたはずの機兵の出現が確認されサジェスの調査、定着は困難を喫していた。 タイラントバスもサジェスの豊かな土地を狙う魔獣の一種であり結果サジェスに進出できなくともサジェスに近いテネブル地方に定着しストレスや外敵に怯えることなく暮らした結果巨大化し湖の王者となったのだった。
「いや〜パワードスーツをつけたとはいえ湖のヌシを釣り上げるたぁとんでもねぇやつだな。」
「でもラグナさん、あんな装備持ってきて釣らせる気満々だったでしょう。」
「まあな、でもマジで釣り上げるたぁ思わなかったぜ。」
「…これどうしましょうか。」
いい環境で餌を食べ育ったタイラントバスの大きさはざっと10mほどはありそうだ…僕なんか一飲みだろうなぁ。 現にラグナさん一飲みだったし。
「まぁ食えるとこまでは食うさ、淡水魚だから火入れないとだめだけど俺のビームサーベルが暴れまわったおかげでそこそこうまく火が入ってるんだよな…どうせ全部は持って帰れねえしせっかくだから今ここで味見してみる?」
「そんなト○コみたいな提案をされても…」
「なんだそれ?」
「…さぁ?」
何だよトリ○って…僕疲れてんのかな?
「じゃあ適当に切り分けるぞ〜」
ブォォン ブォン
「解体にもそのビームサーベルとかいうやつ使うんですね。」
「うん、だってこいつ鱗硬すぎて刃物効かんもん。」
「ええ…」
「街に行くとタイラントバスの鱗の鎧とかナイフとかあるぞ、しかもかなり高級品。」
これを売ればがっぽりだなとラグナは笑っていた…一体何を食べたら鱗が鉄より硬くなるんだ?
「よし!でーきた!」
そう嬉しそうに言うラグナの前には大量の魚肉と鱗、そしてバカでかい頭と骨がきれいに並べられていた。
「多…」
一匹の魚から採れたとは思えない。
「じゃあここに醤油あるからそれで食べよっか。」
「ショウユ?」
「あぁ、醤油ってのはな東のランブドラって国の調味料なのさ。あっちでは魚につけて食べるらしいから持ってきた。」
黒い…東の人はよくこんなの口に入れようと思ったよなぁ
「じゃあ早速、いただくかな。」
「いただきます。」
パクッ
「…!?しょっぱぁぁ!!」
「つけ過ぎだな。誰もが通る道だ、俺も初めて醤油使うときつけすぎて悶絶した。」
舌がピリピリするよぅ
「ほれ水飲みな。」
「ありがとうございます。」
ゴクゴク、水が染み渡るぜ。
「うん…本体は蛋白な味だな。」
「結構油っこいですね。」
柔らかくて溶けそうだ…油が多いといってもしつこくない。醤油が結構塩っ辛いから本体の蛋白さとあってちょうどよくなってる。
「うん、意外といけるな。ただ流石に油が多すぎるから今度食べるとき蒸してみるか。」
ソテーとかもいけそうかも…とラグナが呟いていた。明日のご飯は豪華だな。
「かなり食べましたけど…減る気がしませんね…」
「まぁ元々少し味見のつもりだったからな、のこりは持って帰るか。」
「これ二人で全部食べられます?」
「無理だな。明日街に行って魚屋のおっちゃんにでも売りつけるわ。」
なんて迷惑な。
「さてこの移動式小型氷室に詰め込むか。ネルフも手伝って。」
「わかりました。」
これだけの量詰めるのは骨が折れそうだなぁ。
「鱗気をつけな、皮膚なんて簡単に切れるから。」
「怖、気をつけます。」
〜2時間後〜
「やっっと終わったぁ〜」
「明日は筋肉痛確定です…」
「あとは帰るだけだな。荷物まとめて、忘れ物無いようにな。」
「…」
「どうした?急に黙り込んで。腹でも壊したか?」
「いや…魚詰めてるときにふと、なんで急に釣りなんて行ったんだろうと思いまして」
「…あぁ思い出した。」
「?」
「そういやお前にあれを見しとこうかと思ってな。」
そう言ってラグナは滝の方に指を向けた。
「あれは…」
「水車だよ、うちの動力源の一つさ。」
「どうして僕にあれを?」
「うちはね、あれを頼りにしながら暮らしている。まぁもちろん動力源はあれだけじゃないけどね。」
「なるほど?」
「俺には魔法のような無から有を創り出す力なんて無いし家もそれを想定された造りになっていないんだ。水車を壊されれば生活は破綻するしそれを一瞬で直すなんて魔法のようなことも俺には出来ない。」
「…」
「魔法が使えるお前にとって俺との生活はかなり不便て大変なものになるはずだ。少なくとも君が今までしていた暮らしとは一転する。」
「そうですね…」
「さっき俺の助手になるか?って聞いたときにはすぐになると答えたけど、今一度よく考えてくれ。確かに人手は必要だしお前みたいな人間が助手になってくれるのは心強い。けど俺はお前の意思を尊重したい。」
いい人なんだな、この人。
「…まぁここまでそれっぽいことつらつら話したけどさ、要するに魔法無しでここまで環境整えた俺凄くね?ってことよ。」
なんだコイツ。
「さてもう暗いし、帰るぞ〜明日は街に行くから早めに寝ないとな。」
「は、はい」
「…仮に帰りたいと思った場合。明日街で馬車を借りて王都まで送ってやるよ。明日までによく考えておきな。」
「わかりました。」
…なんでこの人、僕が王都住みだってわかったんだ?僕言ったっけ?…いや、言わないし言えないな。
「やべぇ想像の5倍くらい重いんだけど!!ネルフ〜手伝ってぇぇ!」
「あっ、はーい。」
一体何なんだろうなこの人…