テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
akn「 」
fw『』
いない、いない…。
ここにもいない。
明那が行きそうなところなんて他にあったっけ?
そう思って考えるも、もうほとんど行き尽くしてしまった。
でもこんなところで諦めるわけにはいかない。
明那に伝えなければいけないことがあるのだ。
息が乱れ始めたのも無視して、走る。
明那が俺の家から出て行ってそこまで時間もたっていないというのに、本当にどこへ行ったのだろうか。
ふと「もしかして」と、頭にある場所が浮かんできた。
あり得ないと思ったけど、今はなりふり構っていられない。
俺は再び足を早めた。
そこに着いた頃には、もう辺りは夕焼けに染まっていた。 生暖かい風が俺の頰を撫でる。
明那と前に行ったことのある海。遠いから流石に明那も来ないだろうと思ったが、どうやら予想は当たったらしい。
端の方に蹲っているような人影を見つけ、瞬間的に走り出す。
『───明那!!!』
「ッ、え」
小さく漏れたその人影の声は紛れもなく、俺の想い人で間違い無くて。
一秒でも早く明那のところへ向かいたい。
その一心で必死にもつれる足を動かす。
明那は声に驚いたのかビクリと肩を跳ねさせ、俺の方を恐る恐る見た。
きっとさっきまで泣いていたのだろう。目にはくっきりと赤い跡が残っている。夕焼けの光が反射する、その綺麗な瞳とパチリと目が合ったらもう、居ても立っても居られなくて。
「─────え、!?ちょ、ふわっち!!?」
俺より一回り小さいその体を力一杯抱きしめる。もう逃がさないと言うような俺に、頭上から困惑の声が聞こえた。
俺も体を離して明那の顔を改めて見つめる。
耳が赤くなっていることに気づいて、本当に俺のことが好きなんやなぁと嬉しくなってしまった。
当の本人はこの状況についていけてないのか口を開けて固まっていて。その顔さえも可愛くて、思わず半開きになったその唇にキスを落とした。
「……ん、!!??」
息をする間もなく一瞬で離れた唇。明那の顔は林檎かと思うほど真っ赤に染まっていた。
『…んはは、かーわい…』
「……っ、じゃなくて!!な、ななな何してんの!!!??」
『んえ?でも明那だって前やってくれたやん』
「ん、え、…あ、あれは…その、何というか…」
ゴニョゴニョと下を向く明那の顎を指で持ち上げ、その目をじっと見つめる。
ああ、やっと、やっと言える。
『────────俺、明那のことが好きや』
『いつからかなんて覚えてない。でも、ずっと、ずうっと前から…明那のことが好き。ごめん、今まで気づけんくて…明那はいつもチャンスをくれてたのに。……でも、お願い。
俺にもう一度だけ、チャンスをくれませんか』
元々大きい明那の瞳が、驚きによって更に大きく見開かれる。
やがてその目から、一粒ポロ、と涙が溢れた。
『────ッっえ!!!??え、あ、ごめん明那!!!そんな嫌やった!?泣かせるつもりはなかったんやけど…!!』
「っ、ぅ、ち、ちが…!ごめん、ちがうから、!嫌なわけない、!!」
涙を袖で拭いながら、明那は俺の言葉を否定する。
必死で出てくる涙を拭き取りながら、狼狽える俺の胸に明那は勢いよく飛び込んだ。
『っぅ、え!!?///あきな!!??』
「う~~~!!もー、鈍感すぎんねん!!アホ!!」
急に暴言を吐かれてはぇ、とまた困惑する俺を見て、明那は面白そうに笑う。
その笑顔を見て、怒っているわけではないことにホッと胸を撫で下ろした。
それと同時に、嬉しさが込み上げてくる。
『───っうわー!明那〜!!ごめん!全然気づかんかった!!てかやってること可愛すぎやろ!好きぃ…!』
「んわ、ふわっち苦しいってw」
俺の背中に回された手に応えるように、俺も明那を再度抱き締める。
暫く抱き合った後、明那が体を離し感慨深そうに言った。
「ってか、ふわっちも俺のこと好きとか信じられん…」
突然我に帰ったような明那にムッとする。俺はこんなに明那のことが好きやのに、まだ伝わってなかったんか。
『はあ〜??こちとら大好きなんですけどぉ。信じられへんならまたキスしよかあ?』
「はっ、!?…しっ、信じる!信じるから!!」
ちょっと揶揄うつもりで明那に顔を近づけると、明那は両手で俺の顔を押し返す。んー、なんか猫ちゃんみたいやなぁ…。
そういうとこもちょー可愛ええけど、なんか本当にもう一回キスしたくなってきた。
『…明那は俺とキスしたくないんや』
「ッんぐ、…ずるいやろ、それ」
「……あー、もう分かった!いいよ!」
『っ、ほんまに!?』
パッと顔を輝かせると、明那が苦笑する。 気にせず明那の口にまたキスをすると、 明那は慣れないのか息をしづらそうにしながら、何とか俺に応えてくれる。
その行為が何とも嬉しくて、思わず明那にイタズラをしたくなってしまった。
『…、』
「っ、ん!?ぐっ、ぅ…♡あぅ、♡」
にゅるり、と明那の口に舌を入れる。明那は肩をピクリと揺らし、甘い声を漏らした。
明那の口を一通り堪能した後口を離すと、明那は息も絶え絶えになりながらこちらを睨んだ。
全然怖くないけど。
「っ、///何してん!!?誰かに見られてたらどうする気やねん!」
『にゃはは、ごめんって!でも今更やん?』
呆れる明那を見ながら、徐に浜辺に片膝をつく。
そんな俺に気づいた明那は不思議そうな顔をした。
「?何してんの?」
『───三枝、明那さん』
明那の手を取り、精一杯カッコいい顔と声を作りながら言葉を続ける。
『こんな俺と、恋人になってくれますか?』
明那は少し驚いたような顔をした後、やがてニヤリと笑った。
「当たり前!!」
あとがき(読まないでも大丈夫です)
このお話をここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
何だか最終話が微妙になってしまって申し訳ないです。
それと、このお話だけでは伝わらなかった補足的なものを「後日談」としてもう一話だけ投稿したいと思っております。どうかお楽しみに。
改めて、拙い文章ですがここまで読んでくださった方々に。
有り難うございました。
コメント
3件

あばばばばばは、尊すぎます。。。。 完結ありがとうございます😭 後日談も楽しみにしてます!!
両片想いが実って良かった…😭🫶素敵なお話ありがとうございました…🍀後日談まで!?楽しみに待ってます︎💕︎
完結まで書いてくださりありがとうございます😭😭💞本当にこの作品大好きです‼️後日談あるの嬉しすぎます👀👀👀楽しみです😸‼️