nmmn,fwakになります!
※地雷の方はご注意ください。
※ご本人様とは一切関係ありません。
akn→『』
fw→「」
モブ→()
です。
どーぞ!
(ねぇねぇ、湊くんはさ彼女とかいるの〜?)
(それな!気になる〜!)
授業と授業の合間の休み時間、別のクラスから訪れた女の子達に囲まれる。
「にゃは、どっちやろね〜?」
わざわざ会いに来てくれるのは嬉しいけど、話す話題は揃いも揃って恋愛的なこと。
それこそさっきの
(彼女いるの?)
だとか、
(好きな人いるの?)
とか、
(元カノどれくらいいるの?)
とか。
聞いてどうなるん?みたいな事ばかり。
けどまあだいたい予想はつくし、俺の事好きなんやろな〜ぐらいで聞いてる。
自意識過剰って思われるかもしれないけど、俺の今までの経験がそう思わせるのだから仕方ない。
実際に何人も告白してきてくれたしなぁ。
で、さっきの質問に戻る。
全然答えてもいいけど、そう簡単には教えてあげない。
だって、謎が多い人間ってなんか惹かれるやろ?
それで好意を寄せてくれても答えてあげることは出来んけど、持たれることに正直悪い気はせんしな。
…あ、俺今最低だったか。さすがに。
でも、決して思わせぶりをしている訳ではないんよ。
(え〜絶対いるでしょ?)
(絶対いるじゃん〜)
「おー。なんでそう思うん?」
(だって湊くん、顔超かっこいいもん!あと優しいし!)
申し訳なさ程度に付け足された、”優しい”に思わず笑ってしまいそうになる。
まぁ結局顔なんよな。今更何とも思わんけど。
俺も自分の顔嫌いじゃないし、褒められたら誰だって嬉しいもんやろ。
好きな人にも褒められてるし。
「まぁみんなのご想像にお任せしますかぁ」
(なんで教えてくれないの〜?)
(意地悪だー!)
そりゃ教えるわけないやろ。んな簡単に。
しかもこんな騒がしいところで。
(あ!分かった!この学校にいるんでしょ!)
(このクラスなんじゃない!?)
はは。大正解〜。
そうなんよなぁ、この教室にいるんだよ。
チラッとバレない程度にそっちを見ると、当の本人は何も気にしていないかのように友達と笑いながら話してる。
変な嫉妬心が湧いてくる前に視線を女の子達に戻した。
「さぁ〜?」
それでも答えてあげないけど。
あと教えたら困るのは俺やないし。
明那やもん。
俺と明那が付き合ってることを隠すと言い始めたのは明那の方だ。
俺は言ってもよかったんやけど。なんなら言いたかったんやけど…。
ダメな理由を聞くと、
『人気者のふわっちの恋人が俺って分かった時の女の子達が怖いから』
らしい。
明那になにかするようなら俺も黙ってないし大丈夫やで。って思ったけど、それは敢えて言わないでおいた。
「あ、ほらみんな。そろそろ戻らないと鐘鳴るで?」
時計を見ると、休み時間が終わろうとしていた。
(あ、ほんとだ)
(湊くんと同じクラスが良かった〜)
(うちら今年で終わりなのに一緒にしてくれないの酷くない?)
「ありがとね〜みんなぁ〜」
丁度鐘が鳴った。俺さすがにナイスすぎ。
再び明那の方を見ると、目が合った。
戸惑いながらもニコッと微笑まられ心臓がギュンってなった。
可愛すぎやろ。なんなんほんまに。
さっきまで女の子たちにかましてた余裕ムーブなど一瞬で過ぎ去って、かっこいいと褒められた顔が一瞬で壊れた。
今の俺の顔を見た女の子達は、さっきみたいにかっこいいって言ってくれるだろうか。
いや、言わんな。確実に。
別に言われなくていい。明那に思われているならそれで。
てかそもそもこんな顔、明那にしか見せんわ。
と、思ったけど明那はもう俺の方を見ていなかった。
普段振り回す側の俺をこんなに振り回せんのは明那しかおらんよ…。
次目が合うのはいつやろな〜なんて授業とは全く 関係ない思考を持ち合わせ、聞いてるフリをしながら授業を受けた。
たまに明那の方を見れば、眠そうに頭をカクカクさせていて、可愛くて席を立ちそうになったけど必死に我慢する。
次の席替えは絶対明那の隣がいいなぁ〜。
そしたら毎授業絶対起きてるし、明那のことずっと見てられるのになぁ。
裏で担任に頼むしかないかぁ。無理だろうけど。
などと頭の中で独り言を呟いて、夢の中へと落ちた。
――ち、、、―――わっち、
『ふわっち、起きて』
明那の声が聞こえて目を覚ます。
はっ、と体を起こすともう既に授業は終わっていてお昼の時間になっていた。
『おはよふわっち』
目覚めてから1番先に見る景色が好きな人の笑顔ってこんなにも幸せなんや。
やっぱ隣の席になるしかないってことか。俺ら。
「おはよぉ〜あきにゃぁ」
まだ上手く口が回らなくて、だいぶふわふわとした口調になってしまった。
明那にはいつもやん。ってつっこまれそうやな。
『爆睡やん』
そう言いながらワハハと大きな声で笑っている。
笑ってるけど明那も眠そうやったやん。
明那は意外と真面目やから寝てないと思うけど。
「起こしてくれてありがとう、あきにゃ」
『いいよいいよ』
「あきなもうお昼食べたん?」
『んーん、これから』
「じゃあ一緒に…」
そう言いかけた時、明那が廊下の方をちょんちょんと指さす。
まさか、今日も…。
「…っすよねー、」
見ると、女の子たち数名が俺の方を見ながら待っていた。
とりあえずニコッと笑っとく。
『やっぱさすがやな。ふわっち』
今日こそは明那と2人で居られると思ったのに…。
いや全然断ってもいいんだけど、、断ったところで。だしなぁ。
前に断ったこともあったけど、
(明那くんも一緒にどうかな?)
って言われて、結局明那と2人きりにはなれなかったんよな。
女の子たちに囲まれてる明那可愛かったけど、普通に嫉妬したしもう見たくないしなぁ、、。
こういう時のためにやっぱり言いたい。
明那と付き合ってるよって。
何かいい方法で明那と2人きりになれないかなぁ。
起きたばかりの頭をフル回転させる。
んー、……多分この方法なら。
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