お久しぶりです!
改めまして、りりと申します!
受験でしばらくお休みしていたのですが、
無事に第1志望校に合格することができました!
これからもぼちぼち作品投稿していこうかな〜と思っています!
前置きが長くなってしまいましたが、
今回久しぶりの投稿をさせていただきます!
ぜひとも楽しんでいただけたら幸いです♩
よろしくお願いいたします!
↓↓↓
俺はもともと、責任感の強いタイプだった。
学生時代には、生徒会長の仕事や大量の課題、後輩の面倒など、なんでもそつなくこなすのが気づけば当たり前になっていた。
それは今でも抜けない癖みたいなもので。
仕事の山を前にして夜を明ける日も珍しくなくなっていた。
カタカタ、とキーボードを叩く音が静かなオフィスに響く。
デスクには積み上がった書類と、すっかり冷えきったコーヒーが置かれていた。
「……っ」
画面の文字がにじんで見える。
デバイスの見すぎか、そう思いながら軽く頭を振ると、心なしか視界が鮮明になった気がした。
「ないこー?まだ残業しとるん?」
不意に、背後から聞き慣れた関西弁がした。
振り返ると俺のすぐ後ろで、まろがデスクをまじまじと見つめていた。
「朝からずっと働きっぱなしやろ?せめてちょっとは休んだ方がええんちゃう?」
彼の心配そうな声が、俺の肩にこぼれる。
外はとっくに陽も落ちていて、時計を見ると日付も変わろうとしていた。
「うん、大丈夫。もうすぐ終わるし 」
「でも、たまには休まへんと」
「こんくらい平気だよ。なれてるし」
軽い調子で答えると、まろはいつになく険しい表情になった。 2人だけのオフィスに小さなため息をついて、俺の顔をじっと覗き込む。
「…お前、今めっちゃ顔赤いで」
「…そんなことないよ」
「せめて手伝わさしてや。俺もやる」
まろは手を伸ばして、俺の資料を持っていこうとした。
「っ、待って、これは俺が」
咄嗟にまろの手から取り返そうとしたけれど、その拍子にいきなり視界がぐらりと歪んだ。
なんとかデスクに手をついたものの、手元が狂って握っていたペンが床に落ちる音がした。
「……」
「おい、ないこ?」
あれ、急に、なんでだろ
彼の声が遠くなる。
意識さえもふわふわして、足元も安定しない。
椅子に座っているのに、このまま沈んでしまいそうな感覚。
ぁ、 これたおれる
「ッないこ!!」
ガタン、と椅子が揺れる音。
次の瞬間、がしっと腕を引かれて、気づけば彼の胸に倒れ込んでいた。 何が起こったのか、頭ではなにひとつ理解できていない。
「っ、あっぶな……!」
「…っお前、ほんまに限界やんけ…!!」
ごめんごめん、大丈夫
そう言おうとしたけど、声がかすれてまともに出なかった。
「無理しすぎやって…!ないこ、熱あるんとちゃうか、?」
彼の骨ばった手のひらが額にそっと触れる。ひんやりとした感触が心地よくて、思わず目を閉じた。
「…めっちゃ熱いな。なにも、こんなんになるまで仕事せんでも…!」
「……はやく、おわらせたくて、」
「……アホか」
しんどいのを言い訳にしたくはなかった。
任された仕事を、ちゃんとやりきりたかった。
でも、身体は嘘をつけずに悲鳴をあげていたみたいだ。
「そんな事言ってる場合とちゃうやろ。ないこが倒れたら意味無い。」
そう言ってまろは、ぐっと俺の身体を支え直した。
「ん、立てるか?」
「……むり」
力がまるで入らない。
こんな時くらい、素直になってもいいか。
「しゃーないな。ほら、掴まり」
「ごめん」
「俺が聞きたいのはごめん、じゃないで?笑」
「…ありがと」
「ん、許したるわ笑」
ぽんぽん、と頭を軽く撫でられては思わず笑みがこぼれた。
「ないこ、お前自分の限界を知らなさすぎるねん、体力おばけ笑」
「ほら、帰るで。看病したるから」
まろの腕に支えられながら、薄暗いオフィスを後にする。足元はふらつくけれど、不思議と心は軽かった。
こんな時くらい、もう少し頼ってもいいのかもしれないなあ。
コメント
2件
解釈一致すぎ神作品ありがとうございます🙇♀️🙇♀️🙇♀️ 青桃にはこういう関係で居てもらいたいですよね( 'ᢦ' ) あと、まさかの同い年でしたか!!合格おめでとうございます🎉私は金曜日合格発表です(* ॑ ॑* )