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*.꒰ঌ𝕐𝕦𝕚𝕜𝕒໒꒱.*
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#オリジナルキャラ含む
Luna Emma
110
文化祭が終わった夕方。
教室では、机を丸く並べて小さな打ち上げが始まっていた。
「かんぱーい!」
「お疲れさまー!」
ジュースの紙コップがぶつかる。
笑い声が教室いっぱいに広がった。
冴は少し離れた窓際で、オレンジジュースを飲んでいた。
(……こういうの、苦手。)
騒がしい場所は嫌いだ。
少ししたら帰ろう。
そう思っていた。
-–
「石川くん!」
クラスメイトの女子が笑いながら近づいてくる。
「文化祭お疲れ!」
「……ありがとう。」
「写真撮ろ!」
「え。」
「記念!」
「……。」
断る理由もなくて、小さくうなずく。
「はい、チーズ!」
パシャ。
「ありがと!」
女子たちは笑いながら戻っていった。
冴はほっと息をつく。
(終わった。)
-–
その頃。
廊下で先生に呼ばれていた奏斗は、急いで教室へ戻っていた。
「遅くなったー!」
教室へ入るなり、友達が笑う。
「神崎! お前の相方、さっき写真撮られてたぞ!」
「え?」
「石川!」
奏斗は思わず教室を見渡す。
窓際。
冴が一人でジュースを飲んでいた。
その姿を見て、胸が少しだけざわつく。
(……なんだ、今の。)
安心した。
でも、その前に感じたモヤモヤは何だったんだろう。
-–
「神崎。」
「ん?」
「先生、何だったの。」
「文化祭の片付け。」
「そう。」
それだけ。
いつもの短い会話。
でも今日は少し違った。
「……。」
冴が、ちらっと奏斗を見る。
「?」
「……。」
すぐ目をそらす。
「どうした?」
「……別に。」
(なんで。)
(さっきから。)
(神崎がどこにいるか気になる。)
自分でも意味が分からない。
教室に入ってきた瞬間。
安心した。
その理由だけが、分からなかった。
-–
「集合写真撮るぞー!」
担任の声が響く。
「実行委員、前!」
「神崎! 石川! 真ん中!」
「……え。」
「はいはい、こっち!」
二人は並んで立つ。
肩と肩の距離は、ほんの数センチ。
「近い。」
冴が小さくつぶやく。
「そう?」
「……。」
「嫌だった?」
「……嫌じゃない。」
その一言に。
奏斗は思わず息をのむ。
「じゃあ、そのまま!」
パシャッ。
シャッターが切られる。
その瞬間。
冴はほんの少しだけ笑っていた。
-–
帰り道。
校門の前で別れる。
「じゃあ。」
「……うん。」
少し歩いて。
悠真が振り返る。
「石川!」
「?」
「今日はありがとな!」
「文化祭、一緒にできて楽しかった!」
そう言って手を振る。
冴は少し驚いた顔をした。
それから。
ふっと笑って。
小さく手を振り返した。
「……また月曜日。」
「うん! また月曜日!」
夕日に向かって走っていく奏斗。
その背中が見えなくなるまで。
冴はその場に立っていた。
(……。)
(また月曜日。)
その言葉を心の中で、もう一度つぶやく。
気づけば。
少しだけ、月曜日が楽しみになっていた。
コメント
1件
ああ、もう、この回めっちゃ良かった……!文化祭の打ち上げ、あの「なんか気になる」って距離感、めちゃくちゃリアルで刺さったわ。冴が奏斗のこと意識し始めてるの、こっちまでドキドキした。最後の「また月曜日」で自然と笑顔になるところ、最高だよ。風花ちゃん、こういう微細な感情の機微、本当にうまいな。続きが待ち遠しい🔥