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*.꒰ঌ𝕐𝕦𝕚𝕜𝕒໒꒱.*
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#オリジナルキャラ含む
Luna Emma
110
放課後。
「おい、奏斗。」
「ん?」
「ジュース買いに行くぞ。」
親友の颯太が肩を組んだ。
「珍しいな。」
「いいから。」
半ば引っ張られるように、自販機の前へ連れて行かれる。
カコン。
炭酸ジュースを一本買う。
プシュッ。
「で。」
颯太が一口飲んでから言った。
「石川のこと好きだろ。」
「ブッ――――!!」
奏斗は見事にジュースを吹き出した。
「げほっ……!」
「お前きたねぇ!」
「な、なんでその名前出るんだよ!」
颯太は呆れたようにため息をつく。
「逆に聞く。」
「何が。」
「隠せてると思ってた?」
「……。」
「文化祭のとき、お前ずっと石川見てたぞ。」
「……え。」
「石川が笑えば、お前も笑う。」
「石川が疲れてたら、真っ先に気づく。」
「石川が女子と話してたら、一瞬だけ顔が曇る。」
「…………。」
「全部バレてる。」
奏斗は頭を抱えた。
「終わった……。」
「終わってない。」
「いや終わった。」
「石川本人は気づいてない。」
「……え?」
「気づいてたら、お前とっくに振られてる。」
「そ、それもそうか……。」
「安心した?」
「ちょっと。」
「単純。」
-–
同じ頃。
図書室。
冴は一人で本を読んでいた。
……はずだった。
パタン。
本を閉じる。
(読めない。)
今日は文字が頭に入らない。
時計を見る。
午後四時十二分。
(……。)
(神崎。)
(今日は来ない。)
また時計を見る。
四時十五分。
(……遅い。)
自分で気づかないうちに、小さくため息をついた。
-–
「石川?」
図書委員が声をかける。
「今日、もう帰る?」
「……うん。」
「珍しいね。」
「いつも神崎くんと帰ってるのに。」
「……。」
その一言に。
冴の足が止まる。
(……いつも?)
そういえば。
最近は毎日、一緒に帰っていた。
それが当たり前になっていた。
「……。」
胸の奥が、少しだけざわつく。
-–
昇降口。
靴を履き替えたところで、
「石川!」
聞き慣れた声が響く。
振り返る。
息を切らした奏斗が走ってきた。
「はぁ……間に合った。」
「神崎。」
「ごめん!」
「先生に捕まって!」
「……そう。」
たった二文字。
でも。
その声は、どこか安心したように聞こえた。
奏斗は少し首をかしげる。
「……待っててくれた?」
「え。」
「帰ってなかった。」
「……。」
冴は少し考えてから答えた。
「……たまたま。」
「ふーん。」
奏斗はにやっと笑う。
「じゃあ、その”たまたま”に感謝。」
「……。」
「帰ろ。」
「……うん。」
二人は並んで歩き始める。
少しして。
奏斗が何気なく笑った。
「今日さ。」
「?」
「石川が待っててくれたの、ちょっと嬉しかった。」
その言葉に。
冴は立ち止まる。
(待ってた……?)
違う。
違うはずだ。
ただ。
一人で帰る気になれなかっただけ。
……本当に?
「石川?」
「……。」
小さく息を吸う。
「……俺も。」
「え?」
「神崎が来て。」
「……安心した。」
風が止まる。
時間まで止まったみたいだった。
奏斗は目を丸くして、何も言えない。
冴は自分で何を言ったのか分かった瞬間、耳まで真っ赤になった。
「……!」
「い、今の忘れて。」
「無理。」
「忘れて。」
「一生忘れない。」
「……。」
「石川。」
「……なに。」
「今日だけで、一週間頑張れる。」
「……変。」
「うん。」
「でも本当。」
冴は困ったように笑った。
その笑顔を見て、奏斗も笑う。
夕焼けの帰り道。
二人の距離は、昨日よりほんの少しだけ近づいていた。
コメント
1件
うわああああ第11話もエモすぎた!!😭💕✨ 颯太に「バレてる」って言われてジュース吹き出す奏斗、可愛すぎだろ!!笑 でも颯太の観察力ヤバくない?「石川が女子と話してたら顔が曇る」って、それもう完全に恋してるやつ~!! そして冴ちゃんの「……読めない」とか「今日は来ない」って思っちゃうとこ、もう自覚してるじゃん!!照れながら「安心した」って言ったとこ、こっちまでドキドキしたよ…二人の距離がちょっとずつ近づいてくの、尊すぎて窒息しそう🥺💞 次回も絶対読みます!!