❨どこかの河原にて❩
ー1錠のラムネ
溶ける度にシュワシュワと口の中で踊っている
美味しかったなあー
⬛️⬛️の時に⬛️⬛️と一緒に⬛️⬛️⬛️で⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️
あれ、何だっけ?
ていうかー
ー腹減って死ぬ
僕の名前はたぐい…
ー故あって餓死寸前です
(家がどこかも分からず、食べるもの寝るところもなく、こんな処まで来てしまった)
生きたければ盗むか、奪うしかないー
けどー
_______________
(生きる為だ
次に通りかかった者、そいつを襲い、)
お金を奪う
(…気配!)
‹目の前で人が倒れていた›
…
(これは、止めておこう)
…
(…はぁ)
「あの、大丈夫ですか?」
(しかし、綺麗 と云う言葉が似合う人だな)
上着は薄汚れているが、上等なものだと判る
「…ん、」
「へ?」
「…うん、大丈夫だよ」
「!?」
(びっくりした)
「よいしょっ、と」
「ありがとね、心配してくれて」
「いえ、」
「ところで…
「こんな処に居た!白石!」
どうしたの?桐谷」
「走らないと、次の依頼人の所に間に合わないよ!」
「判った!…私が戻る迄ここにいてね」
「あ、はい」
‹そう言って白石と云う女性は立ち去った›
(何だったんだろう…)
‹たぐいは欠伸をした›
(眠い…まだ寝足りないのか)
(僕の事なんて誰も気に掛けないだろうな)
‹そう思いながらたぐいは毒林檎を食した少女の
ように深い眠りについた›
❨裏路地にて❩
「で?なんだっけ、遥」
「次の依頼で最後だよ、杏」
「やったー!早く解決して帰ろう!」
(あの子が心配だし)
「そうだね、えっと…
珍しい、軍警さんからだよ」
「えー…面倒臭いやつじゃん!」
「白石は軍警からの依頼、嫌がるよね」
「うん…でも、依頼だからさ」
「…杏」
「珍しいね、名前呼びなんて」
「あの紫の子が気になるの?」
「へ?」
「まぁ、この事件と関係が無いことを祈るけど」
「…え、これって
「あ、ここにいらっしゃったんですね」
え?」
‹そこにいたのは次の依頼である事件の犯人だった›
(いや、まさかね)
「こんにちわ、君の名前は?」
「…お姉さんの名前をお聞きしてからでも宜しいですか?」
「白石…アイ
「待って、遥!」
っ!」
‹遥と呼ばれた少女は石のように固まった›
「…桐谷遥さん、見つけましたよ」
‹そう言って犯人は遥の元へ歩き出した›
(そんな…)
「白石…早くにげテ」
「やめてよ!
『下剋上』」
‹その言葉を発した瞬間、遥は倒れ 動かなくなった›
「…さぁ、掛かって来な!私の名前は白石杏!」
「あらためまして、神代類と申します」
《これが2度目の再会であり、運命の瞬間だった》
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