コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
今から誰かのおかしなお話をします。
むかし昔あるところに 「ふつう」のハズだったまだ9歳の小学生がおりました。
その子供を仮に・・・そうですね、Aさんとしましょう。
Aさんには「親友」のハズの同級生(1人だけ歳下の「友達」がいたかもしれませんが)が何名かおりました。
・・・おかしいですね。
何で6年たった今、その人たちを思い出すとAさんはあまりいい気はしないのでしょうね。
Aさんは小学4年生の9月、お外に、出られなくなりました。学校も、行かなくなりました。
みんな行っていたのに、Aさんだけが行かなくなりました。
Aさんのお家の来客用のインターホンはいつも夕方になると「ピーンポーン」と音がなっていました。Aさんは声などからしておそらくいつもいっしょに帰っていた「親友?」たちだと思いました。
「ふつう」は開けるのか開けないのか、そんなことすらもAさんはわかりませんでした。わからなく、なりました。
Aさんはいつもドアを開けませんでした。「親友」なのかすらわからないその人たちはもうその時既に「親友」ではなくなっていたのか、はたまた元から違ったのか、それすらAさんは高校生になった今でもわかりません。
・・・おかしいですね。
気づけばとてもとても長い時が流れていました。
小学校を卒業して、中学生になって、その中学校も卒業して、高校生になりました。
・・・おかしいですね。何でまだAさんは苦しいのでしょうね。これでよかったハズなんです。このまま通信制高校で、高卒資格を取れればもうそれでいいんです。できる限り3年以内に必修単位をすべて取れればいいんです。大丈夫なハズなんです。
それでもAさんは怖いのです。何かを間違えたような気がしてならないのです。
確かAさんが小学6年生の頃は、吹奏楽部に入ると言っていました。もう高校生になったAさんにもよくわからない「青春」とやらを味わうハズだったのでしょうか。
・・・おかしいですね。ええ、本当におかしいです。気づけばもう6年が経ちました。それなのに、Aさんはなぜ、まるで呪われているかのように苦しんでいるのでしょう。「ふつう」も「青春」も「親友」?も「友達」?も、・・・そもそもAさんはまだそんなものが知りたいのでしょうか。語り手の私もよく知りません。
その他にもAさんは「性別」で狂ってしまいそうなほど、いや狂ってしまうほどだったかもしれませんが、悩みました。まあそれはまた別のお話です。
昔話なのにまったくめでたくない終わり方ですみませんが、これにてこのお話は終わりです。
面白くもなんともないボクの昔話を呼んでいただき、ありがとうございました。