俺はそのままホテルに泊まった。朝、目が覚めるとnaから何件も着信の履歴が残っていた。
急いで電話をかける。場所を聞かれ迎えに行くと言って電話を切られた。
俺も身支度を整えてホテルを出る。naを待ってる間、昨日の事を思い出す…。
あの、甘い匂い…それにヒートとはまた違う感覚…
sh「…なんなんだよ…あれ…。」
俺は怖くなり自分の体を抱きしめる。考えないようにと必死で別の事を考えていた。
na「shkー!」
しばらく待っているとnaの声が聞こえた。走ってきたnaは俺に抱きつき『心配したんだぞ!』っと俺の胸を叩いていた。
sh「ごめん…。」
na「…いいよ。何があった? 」
sh「……kn、αだった。」
na「はぁ!?」
sh「でも、すぐに出て行ったから…。」
na「本当に何もないの?」
sh「na…俺、怖い。自分も、αも。」
na「……。」
俺の頭を優しく撫でるna。ゆっくりと歩き出し俺の家に着くまでお互いに何も話さなかった。
sh「na…br先輩と一緒だったの?」
na「え?」
sh「knがホテルにいた時に言われた。今頃brと一緒じゃないかって…。」
na「俺は何も無かったよ。しばらく一緒にはいたけど、すぐに分かれたし。」
sh「なんもないなら…良かった。」
na「なぁ、なんでknがαってわかったの?」
俺はまたあの匂いを思い出す…体が段々と熱くなる…
sh「あれ…嘘だ…だってまだ…ハァ…ハァ…」
na「shk…?」
sh「na…近くにっハァ…いない方が…」
na「あ…これって…」
なんで…まだ一週間も先なはずなのに…ダメだっ
na「…薬、持ってくる!」
sh「ハァ…ハァ…ハァ…っ」
na「shk…薬」
sh「んっ…あり…がと…」
na「…俺、外でとくっ…」
バタン…
naが出て行く。扉の閉じる音が聞こえると、俺は欲望のままに下半身を貪る。満足するまで何度も…何度も…
体が動かない…でもなんとか立ち上がり薬を飲む。ヒート時の薬は少しだけ発情を抑える事が出来る…だからといって完全に発情が無くなる訳ではない…。
部屋を見渡すと自身の体液やティッシュ、衣服が散らばっていた…。いつもこの光景を見る度にうんざりする。
sh「…naにヒート見られたな。」
今まで見せた事のない姿。今のこの状況も見せれるものではない…。俺は携帯を取り、naに連絡する。
sh「ごめん。しばらく一人にさせて欲しい。」
na『わかった。』
…こんな属性なんて…なくなればいいのに…
あれから数日、ヒートが落ち着くまで家に引き篭もり、久々に大学に顔を出すとnaが声をかけてきた。
na「shk!」
sh「…na。」
na「もう平気?」
sh「あぁ、有難う。…その…嫌なもの見せてごめん。」
na「なんで謝るんだよ!shkは悪くないだろ?それに、ヒートがどんなものかわかったし、俺に出来ることあったら言って?」
sh「有難う、na。」
こうしていつもと変わらない笑顔で俺を迎えてくれる。昔と変わらないnaに俺は本当に助けられてると改めて思った。
na「また、ゆっくり話そうー」
sh「おう。」
naと分かれて俺はkrの元へ向かった。
ガラガラ…
kr「ん?お!shkじゃん!」
sh「えと、久しぶりです。」
kr「ヒート中だった?」
sh「…その事なんだけど、聞きたいことがあって。」
krが奥の戸棚から俺の分のコップを取りお茶を入れて俺の前に置く。ゆっくりとソファに腰掛けてじっと俺を見つめてくる。
sh「実は…」
俺は飲み会の時の事、その後のヒート周期の乱れの事。krは頷きながら難しそうな顔をしていた。
sh「今までこんな事無かったんだ。」
kr「ホテルでのヒートに似た感覚は誘発されたんじゃないか?」
sh「誘発?」
kr「そう。俺も詳しくは知らないけど、簡単に言えば相性が良かったって事。」
sh「相性?」
kr「αの子はshkの匂いキツかったと思う。で、shkはその子の匂いで欲情したって事。 」
sh「欲情なんかしてないっ!」
kr「怒んないでよー。相性の話しただろ?匂い同士で惹かれあったんだよ。」
sh「…じゃぁその人に会う度にヒートになるって事?」
kr「そうじゃないと思うけど…今回は周期が近かったってのもあると思うんだよね。」
俺が携帯で周期表を確認する。他にも同じ事例が無いか確認していると何か柔らかいものが頬に当たる…
sh「なっ!?何してんだよ!!馬鹿!」
kr「うーん…βの俺じゃやっぱりヒート時にしか匂いわかんないのかなぁ。こんなに近づいてもわかんないや。」
sh「…もう十分だろ!離れろって!」
kr「首が一番匂いすると思ったけど…もしかしたら他の場所か?」
sh「おい!お前っ…まじでセクハラで訴えるぞ!」
俺がkrの頭を掴み引き剥がそうとしてると、扉が開く音が聞こえて俺たちは固まってしまう。
kn「……えと…」
続く
コメント
2件