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葵 .
『煙の正体』
🦈「……え?」
窓の外を見た瞬間、こさめの顔色が変わる。
白い煙。
もくもくと空へ上がってる。
しかも。
🦈「……すちの家!?」
一気に血の気が引く。
🦈「ちょ、待って……!」
慌ててスマホを取り出す。
コール。
出ない。
🦈「なんで出ないの!?」
もう一回。
やっぱり出ない。
嫌な想像ばかり浮かぶ。
火事。
倒れてる。
逃げられてない。
🦈「……やだ」
気づけば、もう外へ飛び出していた。
🦈「すち!!」
門を開けて駆け込む。
煙の匂い。
焦げた匂い。
🦈「すち!!どこ!?」
半泣きで叫びながら庭へ回った、その瞬間。
🍵「……なに」
🦈「……え」
いた。
普通に。
庭で。
🍵「……魚焼いてた」
🦈「……」
七輪。
網。
魚。
めちゃくちゃ煙。
🦈「……」
こさめ、停止。
🦈「……魚?」
🍵「うん」
🦈「……この煙」
🍵「脂多かった」
🦈「……」
沈黙。
ぱち、と炭の音だけ響く。
道理で家燃えてないなって思ったよ
でもさ、玄関側は燃えてなくても家の裏が燃えてたりとかあるじゃん
🍵「……」
すちは不思議そうに首を傾げる。
🍵「……なんでそんな顔」
🦈「……っ」
次の瞬間。
🦈「よかったぁ!!」
勢いよく抱きつく。
🍵「うわ」
🍵「びっくりした……!」
服をぎゅっと掴む。
🦈「火事かと思った……電話出ないし……!」
🍵「……」
すちは一瞬きょとんとして、
🍵「あー……」
やっと理解した顔になる。
🍵「……火事だと思ったんだ」
🦈「思うでしょ普通!!」
涙目で睨まれる。
🦈「煙すごかったし……!」
🍵「……ごめん」
🦈「ほんとだよ……!」
🍵「……」
すちは少しだけ困ったように笑う。
🍵「電話は手が離せなかった」
🦈「魚より電話優先して!」
🍵「そこまで?」
🦈「する!!」
即答。
🍵「……」
その必死さに、
すちは少しだけ目を細める。
🍵「……そんな慌てて来ると思わなかった」
🦈「……当たり前じゃん」
こさめはまだ服を掴んだまま。
🦈「……すちになんかあったら嫌だもん」
🍵「……」
その一言に、
すちは少しだけ黙る。
抱きついてくる体温。
震えてる声。
🍵「……こさめちゃん」
🦈「なに」
🍵「ありがと」
🦈「……」
不意打ちみたいな声。
🦈「……無事ならいいし」
🍵「うん」
🦈「……でもほんとびっくりした」
🍵「ごめんって」
🦈「……」
少しだけ沈黙。
そのあと。
🦈「……で」
こさめが七輪を見る。
🍵「なに」
🦈「焦げてない?」
🍵「ちょっと」
🦈「黒いけど」
🍵「炭ではない」
🦈「境目くらいある」
🍵「ひど」
思わず笑ってしまう。
🍵「……食べる?」
🦈「えぇ……」
露骨に嫌そうな顔。
🍵「その反応傷つく」
🦈「だって怖いもん」
🍵「ちゃんと焼けてるのもある」
🦈「ほんとに?」
🍵「たぶん」
🦈「たぶん!?」
さっきまで泣きそうだったのに、
今度は普通に騒がしい。
すちはそんなこさめを見ながら、
小さく息を吐く。
“火事かと思った”
“なんかあったら嫌”
その言葉が、
まだ胸の奥に残ってる。
少しだけ嬉しくて。
でも、それを言うのはなんか悔しくて。
🍵「……ほら」
焼けた魚を皿に乗せる。
🍵「一番マシなのあげる」
🦈「マシって言った」
🍵「気のせい」
🦈「絶対言った!」
庭に、また声が響く。
煙はまだ少し出てるけど、
今度はもう、怖くなかった。
あの〜完結マークってどうやって出すんですか‥?
出せないんですけどぉぉぉぉぉ(泣)
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