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紀行文

1 - 第1話 現場

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43

2025年05月23日

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2022年○月×日

ーーーーーー<ニュース番組>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アナウンサー「さあ次は特集です…今、速報が入ってきました。最近SNS上で話題の全国各地を旅している佐藤明久琉(さとうめぐる(29歳)さんが亡くなったということです。どうやら、宮城県の海岸に遺体があったそうです。また情報が入り次第お伝えします」

コメンテーター「いや〜驚きましたね〜まさか亡くなってしまうとは。残念だ」

アナウンサー「(コクリと頷く)そうですね。では特集へ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はあ〜まさか佐藤がな…」

そう佐藤の遺体近くで体格の良い黒のスーツを着た中年ほどの男の刑事が口を開く。佐藤の遺体には胸、腹などに刺し傷と思われるものがあった。きっとそれが死因だろう。

「ですね…まあ頑張って原因を探りましょう!波島(はしま)さん!」

中年刑事の近くにいた若い男の刑事がそう彼に向かって話す。中年刑事の名は波島誠(はしままこと)と言い、彼の相方である若年刑事の名は金子達海(かねこたつみ)という。彼らは佐藤の亡くなった件で現場へ来て捜査をしていたのだ。

「特に何もなさそうだな。次は所持品か…」

「じゃあ署へ?」

「ああ。よろしく頼む」

彼らはそう言い海岸から少し離れた「〇〇海岸駐車場」と書いてある駐車場へ向かった。駐車場は手のひらに収まるくらいのサイズの石が敷き詰められており、1台が駐車できるスペースに紐で枠ができていた。今は警察の車でいっぱいだ。

刑事の二人が駐車場に現れ、白い車に乗り込んだ。その車の上には赤いランプがあった。

「じゃあ署へ行きますよ?波島さん」

「ああ」

彼らが載った白い車は署へ進みだした。まだ自殺か他殺かわかっていないこの事件のせいで海岸近くを通る人はほぼ現場の方に目を向けている。きっと真相が気になるのだろう。

その道を超え、車や人などが多い大通りへ入る。その通りをすこし走ると、グレーを基調とした四角い建物が見える。それが彼らの所属している警察署だ。二人は署の脇にある駐車場にその白い車を停め、外へ出た。

強い日差しが彼らに強く照りつける。

二人は署の中へ入る。そして、佐藤の所持品がある部屋へと入っていった。そこには一人の鑑識の服を着た女性が所持品とにらめっこしていた。

「どうされました?確か鑑識の…」

波島は手に白い手袋をはめながら女性に話しかける。

「こんにちは。鑑識の秋庭(あきば)と申します」

彼女の名は秋庭と言うらしい。

「どうも。私は金子といいます」

「私は波島です」

二人は秋庭に続き、自身の名を名乗る。

「少し、所持品をね見ようと思いまして」

「どうぞご覧ください。では私は失礼しますね」

秋庭は二人にペコリとお辞儀をすると、部屋を出ようとドアのドアノブを握る。その時波島が口を開く。

「そういえばなにか気になることでもありましたか?私達が来た時、所持品をまじまじと見ておられましたので」

その瞬間、秋庭は顔を二人に向ける。そして、あるものを指差す。

「佐藤氏が旅の記録を書いていた紀行文が気になりまして。見ていたんです」

所持品の置かれているテーブルの右端いっぱいに置かれていたのはノートだった。

「ほうほう。紀行文…拝見しても?」

波島はその紀行文に興味を持った。そして、秋庭に見てもいいか聞いた。

「はい。どうぞ」

波島たちはその紀行文を手に取る。そして、表紙をめくる。

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