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海沿いの道を、二人で自転車で走った。
真夏の空は、絵の具みたいに青い。
「競走ね!」
「おい、待てって!」
日葵は振り返って笑う。
太陽より眩しい顔。
「あっ!見て見て!!」
日葵は、花壇の前で急ブレーキをかける。
真っ赤なハイビスカスが、太陽を飲み込むみたいに咲いていた。
「南国の花なんだって!強そうだね」
「ふーん…日葵みたいだな」
「え、何それ。褒めてる?」
「たぶん」
日葵は大袈裟に胸を張る。
「でもね、意外と繊細な花なんだよ?
花びら、薄くてすぐ傷つくの」
「だからさ、ちゃんと見てあげないと。」
「…”繊細な美“が花言葉だもんな」
「えっ!正解!」
笑いながら、花びらをそっと覗き込む。
薄い。透けるみたいに。
俺は、赤い花と、笑う横顔を交互に見た
「”繊細な美“って花言葉、いいよね」
「日葵に似合わないな」
「失礼だなぁ!」
その花は、
陽が傾くころには、もう少しだけ色を失っていた。
あのときは気づかなかった。
強い花ほど、
散るときは、とても静かだということに。
ハイビスカスの花言葉──「繊細な美」
「新しい恋」