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お久しぶりです、ひなきです。
僕の小説としては、今回で2作目となりますね。
あらすじにも書きましたが、基本的に僕の妄想でできており、かなり不純な内容です。
直接的な表現は避けていますが、苦手な方は控えるようお願いしますm(_ _)m
話は変わりますが、最近フォロワーが増えてきて、日々幸せを感じてます笑
これからも僕を応援してくれると嬉しいです!
では、本編の始まり始まり〜٩( ´ω` )و
「え、さやちゃんって高校生で経験済みなの?ちょっと引くわ、笑」
予想外の言葉に、私は暗闇のどん底に落とされた気持ちになる。
「てかそれって完全にビッチだろ」
「…そうだよね、やっぱ気持ち悪いよね笑」
無機質で真っ白な部屋の壁とは対照的に、私の心は真っ黒に染まっていった。
夜の11時。旅行先で宿泊した部屋の中には、私と私の彼氏──といっても、今さっき付き合い始めたばかりであるげんと2人きり。
お互い何も話さず、どことなく甘い雰囲気が漂っていた矢先に6年前の出来事が脳裏によぎる。
処女なんてものは、高校生の時には捨てていた。
当時通っていた高校に女子が少なかったからか告白されることもよくあったが、 私の学校生活に「青春」という2文字は存在していなかった。
C判定の模試、先輩の足元にも及ばない下手くそな絵、上手くいかない人間関係。親にも怒られてばっかりで、楽しいことなんてひとつもなかった。
そんな中、当時付き合っていた彼氏の家に誘われ、されるがままに犯された。
彼氏と言っても、愛なんてものは存在していなかったが。
今まで、そういう行為は不純極まりない、私とは無縁なものだと思っていたが、実際は違った。
彼の身体の温もりや、建前でも蜜のように甘い言葉が私の心の傷を癒してくれた。
それから私は、自ら身体を求めるようになった。マッチングアプリだって入れて、メイクも頑張った。
夜は大体、男の部屋かラブホの一室で過ごした。
私の学生時代は、こんなのばっかりで希望なんてないと思っていた。
私の人生に一筋の光が刺したのは、高校二年生の春だった。
クラス替えをして数少ない友達と離れてしまい、憂鬱な気分で席に座ると、隣の席に王子様が佇んでいた。
少し青みがかった髪にすらりと伸びた指先、そして、なんでも包み込んでくれそうな藍色がかった瞳。私は、一瞬で彼のことが好きになった。
彼──湊とはすぐに仲良くなり、1ヶ月後の放課後、湊から告白された。
それからの、湊との毎日は夢のようだった。
取り返しもつかないほどに汚れていた私の人生を、1から浄化してくれているみたいだった。
梅雨入りして間もない時のこと。
私は、初めて湊の家にお邪魔した。
真っ当な理由で異性の家を訪れるのは、随分と久しぶりだった。
そして、私にはあるひとつの目的があった。
それは───私がたくさんの人と体を重ねてきたことを湊に伝えること。
今思い返してみれば、まだ出会ってから2ヶ月ほどしか経っていないのに、真っ当な恋愛をしている自分に酔いしれて、打ち明けてしまった自分が馬鹿みたいだと思う。
でも、当時の私は湊が運命の人だと本気で信じていて、湊に完全に依存していた。湊を信頼しきっていた。
当然ながら、返ってきたのは氷よりも冷たい言葉。
暗闇に差した一筋の光は、まるで線香花火のように儚く散ってしまった。