__________________
sm視点
目を逸らした瞬間、あるものが視界へ飛び込んで来た。
「しゃし、ん、……?俺、の………」
そこには元の壁が見えなくなるほどの量の写真が貼られていた。……どれも、俺の顔が映っている。…今まで、なぜ気づかなかったのだろう。
正直、恐怖心よりも驚きが勝った。本当に俺の事好きなのか…。
俺もきりやんが好きだった。だから、初めは嬉しかった、でも…
俺の好きなきりやんは、こうじゃない。
きりやんは、ちょっと失礼な所もあるけど、紳士的なところがかっこよくて、優しくて……
俺を無理矢理好きにさせるなんて事しない…だろ、
こんな現実を受け止めたくない。
もう…きりやんなんて…。
______________
kr視点
後悔や悲しみが具現化し、のしかかってきたかの様な、とでもいえば良いのだろうか。
そんな感覚が俺を押し潰し、床へと崩れ落ちてしまった。
いやだ、嘘だと言ってくれ。
こんな俺を知られたら彼に嫌われてしまう。
いや、そんな後悔をしたって遅いことくらいわかっている。
けれど、自分の中のどこかで
こんな俺でも受け入れてくれるんじゃないか。
なんて、淡い希望があった。…俺だって、スマイルのことこんなに好きなんだから。
少しの沈黙と、淡い思考を断ち切らせる声が聴こえた。
「……りや…な………ぃだ」
「ん…?」
「きりやんなんて…大嫌いだ…」
は…嘘、だ…
嘘だ嘘だ嘘だ、、、!!!!!!!!
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!!!!!!
そんな…彼が、スマイルが、いなくなったら…
俺はどう、生きていけばいいの……?
鼓動が速くなる。
”嫌われたく無い“”時間を戻したい““もっと普通に伝えればよかった““ごめんなさい““一緒にいて“
そんな言葉で、頭が埋まる
俺はただ、スマイルが好きなだけなのに。
俺はただ、スマイルといたかっただけなのに。
俺は…俺は、ただ、
_スマイルと、愛し合いたかっただけなのに。
何気ない会話で笑い合って、好きって言って。
手を繋いで、キスをして。
そんな幸せを願っていただけなのに。
どこで何を間違え…た……そう、か。
一人で突っ走って、スマイルの気持ちなんて考えないで。
俺、最低じゃん。
何が、“スマイルの為“なの?
“愛し”合いたいとか…馬鹿みたい。
もう、全てを投げ出したい。
思考も視界も全てがモノクロの灰になったようだった。
…そうだ、スマイルに謝らないと。
kr「スマイル、あのさ」
sm「もう、話しかけんな!」
kr「…え、?」
sm「俺の気持ちなんか全部無視して、なんで一人で進んじゃうんだよ!俺だって、きりやんが好きなのに、きりやんだけずっと愛を語って…」
俺は、きりやんと愛し“合いたい“のに。
目まぐるしく変わる感情からの逃避のために停止した脳へ、そんな言葉が鼓膜を揺さぶる。
しかしそれは、目の前に埃が降ったくらいの些細なことと脳は認識してしまったようで。
「ねえスマイル?最後で良いから。もう、ストーカー行為も最後にするから、さ。
一回だけ、抱かせてよ」
目尻に熱が集まり、頬を生暖かい水が撫でる。
声はなぜか震えていて、視界すら揺れている。
…これは、なんでかな。
俺は、スマイルを愛しているはずなのに。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!