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___じゃあ、おれが、にーちゃんとけっこん?する
そしたらずっといっしょいれるんやろ?
__ふは、そっかぁ、じゃあ楽しみにしてるよ
ひば
チャイムの音を遠くに聴きながら、倒していた体を起こしてヘッドセットを外しカバンへ押し込む。
(いつの、ゆめやろ)
起立、礼と日直の号令を合図に立ち上がり軽く例をしたらまた視線を外へ向ける。
ポスん、頭に軽い重みを感じてたまらず振り返る。
「初めまして、渡会雲雀くん。僕は外には居ないよ」
「……??」
誰、だ?
サラりふわふわとした金髪にオレンジのアクセント、葵宝石みたいな瞳に、柔らかい声。
英語の先生、てかうちのクラスの担任はおじいちゃんだった…一夜にして若返った?雲雀は酷く混乱した頭をクルクルと回した。
それから結局爆発してポケんとしたまま「じいちゃんがにーちゃんになった」なんて呟く。
それに目を見開いた目の前の男性は吹き出してケラケラ、カラカラと特徴的な笑い方をする。
「僕は今日から君たちの英語とこのクラスの担任になった風楽奏斗だよ。
君が言ってるおじいちゃん、てか伊月先生は体調の関係でしばらくお休み」
へぁ、なんて情けない声が出てそう言えば昨日そんなお知らせが来てた気がする、なんて頭の片隅の記憶を探る。
(そや!変な夢見て忘れてた!!)
ばっ!と顔を上げた雲雀にまたもや吹き出した目の前の男に雲雀はプクリと頬を膨らませる。
流石に笑いすぎだろう。おい、クラスメイト達お前らも笑い過ぎやろ。
「とりあえずよろしくね。じゃあ出席とるよー」
そう言って教卓へ歩いていく。
(…?…あれ、あの後ろ姿、?…?気のせーやんな)
なんやろ、寝不足なんかな。