【アメ日帝BL小説『国と恋と戦争と。』】
Episode 10:君と歩くこの世界で
——静かな夜だった。 雨上がりの空は雲間から星を覗かせ、どこか、終わりと始まりの匂いが混ざっているようだった。
寮の部屋。誰にも邪魔されない、小さな箱庭。 そこに、日帝とアメリカはいた。
「……さっきの、なに?」 口を開いたのは日帝だった。朱色の瞳が揺れている。アメリカの顔を見つめながらも、どこか怯えたように、手元のシーツをぎゅっと掴んでいた。
「どれのこと?」 わざと軽く返すアメリカ。けれどその目は、まるで日帝の言葉を一つも聞き逃したくないとでも言うように、真剣に日帝だけを映していた。
「その、ナチスたちに見られてた時……アンタ、あんな……」 「理性、吹っ飛んでた。マジで。止めらんなかった」 「馬鹿……っ」
日帝は顔を赤くして俯いた。けれど、その頬の染まり方は、怒りよりも羞恥で染められていた。
アメリカはベッドに腰かけたまま、手を伸ばす。 そっと、日帝のフードを下ろし、その中から……ふわりと現れる、白く柔らかな猫耳。
「やっぱ……すっげー可愛い。オレだけに見せてほしいって、思ってた」 「……っ、そんなの……っ」
耳を伏せて震える日帝。 けれど、逃げようとはしない。
「なぁ、日帝ちゃん」
アメリカが、優しく手を添える。 耳ではなく、頬へ。肩へ。 そして、心へ。
「オレ、本気でお前が好きなんだよ」
一言。一言が、胸を刺す。 日帝の中に蓄えられていた恐れも不安も、少しずつ溶かされていく。
「……オレも」
ぽつりと呟くように、日帝が返す。 「ずっと……わかってた。でも怖かった。アンタみたいな奴に、本気で好きだって言ったら……きっと、壊れるって」
「壊さないよ。むしろ、守りたい」
そのまま、アメリカは日帝を引き寄せる。 互いの体温が交わる距離。 ベッドの上、寄り添いながら、唇が触れる。
優しく、けれど深く、重なるキス。 心と心を、確かに繋ぐように——。
日帝の尻尾が、ぴくりと揺れた。 アメリカの手が、優しくその根元に触れる。 「ふっ……ん……そこ……っ」
可愛い声が漏れる。 甘さに包まれた空間の中、 ふたりは、夜を重ねていく。
——朝が来ても、離さない。
そう誓いながら。
*
夜が明ける頃。 カーテンの隙間から差し込む陽が、絡み合うふたりを照らしていた。
「……もう、行くなよ」 アメリカが囁くと、日帝は頷いた。 「……隣にいて。ずっと」
その願いごとを叶えるように、アメリカは日帝の額にキスを落とす。
そして、ふたりはまた新たな一日を始める。 ——共に歩く、この世界で。
(シーズンⅠ 完)
シーズンⅠ最終話まで来ましたね
続きは多分書きます、てか書かないとちょい物足りないので、
では👋゛
Tiktokも見に来てn((
コメント
1件
ぅん、やっぱり最高ですね (* ̄ii ̄)b TikTokも探して見ますっ、!