続きです
数分、数十秒経っただろうか。
俺は現在進行形で太宰に抱き締められている。
中々離れない。
『いい加減離れろ…、』
そう云って太宰から離れようとした、その時、
『んぇ!?』
更に腰を引かれて、先刻よりも強く抱き締められ、身体が密着する。
その上、脚を絡めてくる。
それもいやらしく。
身動きが取れない。
否、それ以上の問題が…、
『っ!おい…!離っ、せ……ぅっ//』
「何でさ」
腕の中の太宰が見上げてくる。
普段自分が見上げているので見慣れない太宰の上目遣い。
それにキュンときてしまった自分を殺したい。
『…た…ん……だよ……///』
「よく聞こえなーい」
『っ!あ、あたっ…てんだよ!!///』
「なーんだそんな事」
『手前巫山戯っ……!!』
「秘密のお泊まり会には何が起こるか分からないからね」
太宰は視線を俺の胸に戻した。
〝何が起こるか分からない〟…?
意味が分からない。
でも、 嫌な予感がする。
警戒しながら身構えていると、
生暖かくてヌルッとした柔らかいものが俺の胸を這った。
『ひぅっ///』
『なっな何してやがる!?////』
「んー、オトナの戯れ合い♡」
「やってみたくてさ」
『巫山戯た事抜かしてんじゃっ…』
『い゛!?♡♡♡♡♡』
いきなり乳首を甘噛みされ、声が出てしまう。
『そこっ……やめっ//♡♡んんぅっ♡♡♡♡』
『んっ♡♡くっ…ふぅぅっ…♡♡♡♡♡』
そこから執拗に舐められたり、吸われたりと好き放題されている。
しかし、身動きが取れない為抵抗ができない。
俺の身体は無様にビクビクと震える事しか許されないのだ。
しかも、身体が震える度に当たっている自分のものと太宰のものが擦れる。
その微妙な刺激すらも快感に変わってしまう。
『はあっ♡♡♡あ…んっ♡♡離しってっ♡♡う゛あ゛っ♡♡♡♡♡』
「無様にあんあん喘いじゃって、」
「中也はこーんな所弄られて気持ちよくなっちゃうんだ?」
「女の子みたいだね」
『ちがぁっ♡♡♡も、やめっ♡♡♡♡♡』
「素直じゃないなぁ。」
「此処は物欲しそうなのに」
「一回じゃ足りなかった?」
太宰はそう云うと、俺の下半身の割れ目を指でなぞる。
『ンな訳っ…//』
先刻の感覚が蘇ってくる。
熱くて、苦しくて……、キモチイイ…?
「今、思い出したでしょ」
『な……!////』
「心臓が速くなった」
「君がお願いするならしてあげなくもないよ」
「どうする?」
太宰は厭な笑みを浮かべて見上げてくる。
そういえば此奴はこういう奴だった。
相変わらずの性格の悪さだ。
『する訳ねぇだろ!?///』
『もういい!!俺は寝る!!!』
太宰の手を引き離すと、反対側を向いた。
太宰はその後何もしてこなかった。
暫くの沈黙の後、
隣から声がした。
「あのさ、ずっと云いそびれてた」
「…花、ありがと。嬉しかった」
「おやすみ」
『ンだよ…急に……』
返事は返ってこなかった。
心臓が五月蝿かった。
だってこんなの…こんなのって…、
狡いだろ…!
この日は中々寝付けなかった。
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午前八時
中々寝付けなかったものの、何時の間にか眠っていたらしい。
目を開けると、間近に太宰の顔が。
伏せられた睫毛に日が当たり、目元に影を落としていた。
やっぱり、近くで見ると整っていて、とても綺麗な顔立ちだ。
暫くの間、無意識に見惚れてしまっていた。
「なーに人の顔じろじろ見てんのさ」
『はあっ!?////てめっ…!』
『起きてんなら云えよ!?』
「いや、私だって今起きたのだよ」
「そんなに顔真っ赤にして、もしかして私に見惚れてた?笑」
『……ち…げぇ…//』
図星を突かれ、思わず目を逸らす。
その様子を見て太宰は微笑んだ。
あの、困った様に眉毛を下げ無邪気な少年を連想させる様な笑顔だ。
「ねぇ中也」
先刻迄とは打って変わって真剣な声色だ。
頬に優しく手を添えられる。
顔が近付く。
鼓動が痛い位に速い。
生温い息が当たる。
唇と唇が触れそうな位に近い。
緊張に耐え兼ねて目を瞑る。
この時間が異様な迄に長く感じた。
長い。
長い。
あまりにも長いので、少し、目を開けた。
目に入ったのは、ほんの少しでも顔を動かせば接物をしてしまいそうな位に近い太宰の顔。
じっと俺の事を見つめている。
その顔は先刻の無邪気な笑みと違って、この状況を楽しむような、どちらかといえば大人の笑みを浮かべていた。
太宰は静かな、それでも笑みを含んだ声で云った。
「うふふ、私はしないよ」
「したいなら、君からするんだ」
此奴は本当にいい性格をしている。
俺が何方を選択しようと、此奴の思惑通り。
此奴の遊戯にすぎないのだろう。
でも、
何か…しないと負けな気がしてしまった。
散々振り回されたし、此奴に負けるのは癪だ。
思い切った行動をする事にした。
俺は太宰の胸ぐらを掴むと、唇を重ねた。
柔らかくて、初めての感覚。
心臓が破裂しそうだ。
『こっ、ここれで満足かよ…//』
「んー、微妙かな」
『手前っ…!!』
「もう一回」
「今度はちゃんと目を見て」
『はぁ!?厭に決まってんだろ!?』
「してくれる迄離さないから」
この儘では仕事に遅刻してしまう。
それは避けたい。
でも、今のでも心臓が破裂しそうだってのに目を見てなんてとてもできない。
しようと試みるも…、
『……っ!///無理だっ///』
目を合わせるので精一杯だ。
暫く時間が経つと、太宰が口を開いた。
「仕方ない、特別サアヴィスだよ?」
太宰はそう云うと、
優しく、柔らかなキスをした。
鼓動は速かった、けど、 心地よかった…気がする。
離れると、太宰は微笑んで云う。
「これ、行ってらっしゃいのキスだから」
「帰りは中也からね?」
「ただいまのキス、楽しみにしているよ」
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夜
太宰の家に近付く。
近付く度に心臓が五月蝿くなる。
〝「帰りは中也からね?」〟
脳内で声が再生される。
〝「ただいまのキス、楽しみにしているよ」〟
扉の前で立ち止まった。
緊張…もあるが、 疑問が浮かんだからだ。
これ…インターホン押すべきなのか……?
悩んだ。
悩んで悩んで、結論を出す。
とりあえず押すか。
インターホンを鳴らすと、
太宰の声が聞こえた。
やけに響いている様な……、
数十秒して、扉が開く。
「おかえり。中也」
『手前…!!』
なんと此奴はまたタオル一枚…、しかもタオルは巻かずに持っているからほぼ全裸。
デジャブか…?
ていうか見えてるし。せめて隠せ。
奥に見える足跡から、またお風呂上がりなのだろう。
『昨日も服着ろって…!!』
「別にいいでしょ。裸の付き合いなんだし」
『……!るっせぇよ…//』
「またそうやってすーぐ顔赤くする」
指摘され、思わず俯いてしまう。
すると、顎を掴まれ目を合わせさせられる。
『離せ…』
「約束。忘れたとは云わせないよ」
「ほら、ただいまは?」
『た…た、だいま…、』
太宰の肩に手を乗せて、恐る恐る顔を近付ける。
軽く、本当に軽く、唇を重ねた。
今度はちゃんと目を見た。…一瞬だけど…。
太宰は微笑んだ。
その笑みには愛おしいという感情があったのではないか、 と感じてしまった。
そんな訳ないのに。
そして、それが本当であって欲しいと思ってしまった。
そんなの有り得ないのに。
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本っ当に遅くなってすみません!!!
昨日出すなんて言っておきながら出せずに申し訳ないです。
私月夜、人生で最大のスランプに陥っております。
全然文が完成しません…、泣きたいです。
この話考えるのにも冗談抜きで三日くらいかかってるんです…、完結間に合うか分かりません…、
できる限りの事は尽くすつもりです。
皆様、こんな状況ですが、
よろしくお願い致しますm(_ _)m
コメント
8件
イッキ見させてもらいました!表紙から話まで全て大好きです!!何この純愛(?)太中、大好き、中也可愛すぎるし太宰さんとか可愛さとかっこよさが備わってて大好きです!!もうそのまま付き合ってくれ、結婚式あげてくれッッ!!本当に好きです!! スランプですか...キツイですよね、大変だと思いますが無理はせず頑張ってください!!
くっっそッッッッ…尊いなおい!!!😇 おいだざむ、イタズラ心満載な15歳っぽい感じも残してるの、めっちゃ好きだぞ!!!ちゅや、さっさと自覚しなはれ() スランプは辛いよ…連載してくれるだけでありがたいから、5月末の期限すぎても全然大丈夫だぜ👍⸒⸒
言葉に表せないくらい好きです...沢山考えたからこんな神になるんですね...すごいです...見習わないと!