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「八左ヱ門が戻ってきていない?」

勘右衛門達は深刻な顔をしている木下を見た。

「あぁ。もう晩ごはんの時間を過ぎているのにどこにもいないんだ。見ていないか?」

「いえ、見ていないです。」

「家にかえると言ってたから少し遅くなってるんじゃないですか?」

「そうだといいんだが、」

「木下先生!」

勘右衛門達四人と木下が話していると、顔を真っ青にした孫兵が走ってきた。

「どうした伊賀崎。そんなに慌てて。」

孫兵は、木下の装束を掴みながら震えた声で言った。

「たっ竹谷先輩の部屋が空っぽなんです!」

「なっ!どういうことだ!」

三郎が焦った声を出す。

「ぼっぼく委員会の当番で、さっき活動日誌を竹谷先輩に渡しに行ったんです。」


コンコン

「竹谷先輩。いらっしゃいますか?」

返事はない。

「おかしいな。いつもこの時間にはいらっしゃるのに。まぁ、日誌をおきに来ただけだし机の上にでも置いておこう。」

孫兵が部屋の扉を開くと、そこには何もなかった。

「え?」

孫兵の目の前には、学園のものである机しかない。

「なっ何で?虫籠もない!」

孫兵は部屋の中を隅々探したが、八左ヱ門のものは何一つ出てこなかった。そして空っぽの部屋にぽつんと残された机の上には、八左ヱ門のものであろう制服と、手紙が置かれていた。

「せっ先生に知らせないと!」

孫兵は急いで部屋をあとにした。


木下はそれを聞くと、今までに見たことがないほどスピードで生物小屋へと向かった。三郎達がそれに何とかついていくと、木下は生物小屋に入り一番奥に置かれている虫たちの入った籠が置かれている棚をゆっくりと押した。

「‥‥‥あの大馬鹿者が。」

「せっ先生、ここは?」

雷蔵が恐る恐る聞くと、木下が眉間にしわを寄せた。

「ここは生物委員会が飼っている虫の中でも、一番強い毒を持っている虫達を飼育している場所だ。そしてあそこにある棚にある虫たちは、八左ヱ門が部屋においていた虫たちだ。」

木下の指を指したところにはどこか見たことのあるような虫たちのはいった籠が置かれてあった。

「でもなんでそんな強い毒を持った虫たちが八左ヱ門の部屋においてあったんですか?置く場所はあるのに。」

兵助が首を傾げながら聞いた。

「この虫たちはなかなか見ることのできない猛毒を持った虫でな。その研究と毒ならしのために八左ヱ門の部屋においてあったんだ。‥‥‥この虫たちがこの棚にあること、部屋に八左ヱ門のものがないこと。これをふまえると、八左ヱ門はこの学園に戻ってくるつもりがないのかもしれん。」

「そんな!」

「わしはこのことを学園長に伝えに行く。お前たちはこのことを誰にも言わずに部屋で待機だ。」

「‥‥はい。」

三郎達四人は、静かに部屋へと戻った。

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